【試乗】新型 ルノー ルーテシア|国産同セグメントでは味わえない一つ上の乗り心地
2021/01/15
エクステリアから読み取れる、ルーテシアの高い質感
今回試乗するルノー ルーテシアは、フランスでは「クリオ」と呼ばれることを知っている人も多いだろう。
日本名だけ異なる理由は、ホンダの販売チャンネルですでに「クリオ」という名前があったからで、ルノー側は採用できなかったといわれる。だが、そのおかげで日本だけの車名として販売されている。
1990年に初代のルーテシアが誕生し、すでに30年もの歴史があるモデル。今回試乗することになった“ルーテシア インテンス”は5代目となるモデルだ。
まずは試乗の前に外観からチェックしていこう。
エクステリアは、キープコンセプトのデザインだが、先代よりもボディのフォルムに立体的な造形を増やすことで、高級感を演出している。
ドアを開けてインテリアに触れても、ちゃちな印象は本当に少なくなった。コストをかけていることが走らなくても理解できる。今は大衆的なモデルでも、質感の向上は必須な設計要件だ。
フォルクスワーゲン ポロやプジョー 208などのBセグメントの強敵を見ればわかるが、ルノーは質感とデザインに他とは違った工夫がみられる。
しかし、車は運転してみて特徴がわかる工業製品だ。ルーテシアの個性をお伝えしたい。
出だしも滑らかで実用回転域では鋭い加速性能が楽しめる
運転席に乗り込みドアを閉めると、同様のプラットフォームを使ったルノーと同グループの日産のキックスや新型ノートよりも精度が高く、質感の高さを感じさせる。
エンジンを始動すると、4気筒1.3Lターボユニットは競合のドイツBセグメントに比べると静粛性は劣る。
先代のトランスミッションは、乾式タイプのツインクラッチAT(2ペダルMTといわれるDCT同様のミッション)であったが、新型では湿式に変更されている。
アクセルを軽く踏んで発進すると。DCTのようなギクシャク感はなく、通常のATに近い滑らかな発進が可能だ。エンジンの出力も、1.3Lと考えるとかなり力強く感じた。
そこから少し深く踏んで、出力の雰囲気を確かめてみる。ゆっくり回転を上げながら速度を増すと、7速に増えたギアが滑らかかつ、テンポよくシフトアップする。
しかし、必要以上にシフトアップせず、エンジン効率の良い回転数でとどまらせて、いつでも加速体勢に入ることが可能である。
さらにアクセルを深く踏み込み、高回転域も試してみた。低速から中速のフィーリングよりも頭打ちな感じが否めないが、実用回転域ではシャープでビビッドな加速が十分に楽しめる。
歴史的に小型車を得意とする、ルノーらしい質感の高いスポーツハッチバックに仕上がっている。
高速に入り、複合カーブにさしかかるが非常に安定している。ステアリングの剛性も高く正確にトレースできる。ステアリングの操舵力は3段階変えることができるが、ノーマルで試乗している。
高速コーナーでも、Bピラーから前方は剛性が高くしっかり感がある。
しかし、リアはフロントのあんばいから比べると剛性不足を感じる。車のポテンシャルからすると、もう少し強化してもいいかもしれない。
高速からのブレーキングコントロールは極めてリニアでいい。
ちょっとした山間部も走ったが、中速からのブレーキもコントロールしやすい。ただ低速時のストップ&ゴーは、個体差かもしれないが、操作しづらかった。
今回の試乗は、一日で300kmほどを走破した。
そこで感じたことは、座りっぱなしでも疲れを知らないシートと、しなやかなサスペンションであった。
国産車の同Bセグメントでは、味わうことのできない乗り心地だった。しかし、この一つ上の乗り心地が、ドライバーに安心感を与えるのである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●インテンス
型式 | 7BA-BJAH5H | 最小回転半径 | 5.2m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.08m×1.73m×1.47m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.59m |
ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.51m/1.5m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1200kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.14m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ブラングラシエ |
||
オプション色 |
ルージュフラムメタリック、オランジュバレンシアメタリック、ブルーセラドンメタリック、ブルーアイロンメタリック、ノワールエトワールメタリック |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 7BA-BJAH5H |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | 7AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ブラングラシエ |
オプション色 | ルージュフラムメタリック、オランジュバレンシアメタリック、ブルーセラドンメタリック、ブルーアイロンメタリック、ノワールエトワールメタリック |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.2m |
全長×全幅× 全高 |
4.08m×1.73m×1.47m |
ホイール ベース |
2.59m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.51m/1.5m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1200kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.14m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | H5H | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 42リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1333cc | 燃費(WLTCモード) |
17km/L
└市街地:12.7km/L └郊外:17.2km/L └高速:19.8km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 131ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
240(24.5)/1600 |
エンジン型式 | H5H |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1333cc |
最高出力 | 131ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
240(24.5)/1600 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 42リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 17km/L
└市街地:12.7km/L └郊外: 17.2km/L └高速: 19.8km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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