ボルボ S60▲今回は、2019年11月にフルモデルチェンジしたボルボ S60のPHEVモデル『T6 ツインエンジン AWD インスクリプション』に試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が、その様子をレポートする

ガソリンモデルは高評価だがPHEVモデルはどうか?

ガソリンモデルとPHEVモデルが存在するボルボのミディアムアッパーセダンのS60。先日、現行型がデビューしたタイミングで2Lターボモデルの“S60 T5 インスクリプション”に試乗した。

そのとき感じたのは、スポーティなハンドリングと安定感あるサスペンションセッティングの良さだ。

以前のボルボのFF車は、トラクションに不満があったものの、新たなプラットフォームの採用やサスペンションセッティングの見直しにより、発進時や加速時でもしっかりと路面に押しつけるようになり改善された。
 


そして今回は、モーターを搭載したPHEVモデルで、AWD仕様となった“ボルボ S60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプション”というモデルの試乗だ。
 

ボルボ S60
ボルボ S60

ハンドリングの良さよりモーターならではの特性を試す

こちらはハンドリング性能を楽しむというよりも、モーター駆動を楽しむために市街地と街乗りをメインに試乗した。

このモデルはモーターのみの走行も40km程度可能となっている。
 

ボルボ S60

通常モードであればモーターとエンジンを組み合わせて走行するというので、市街地がメインなだけにまずは標準モードで走行してみた。

荒々しさは皆無でとてもラグジュアリーな発進と加速をする。

スタートしてしばらくはモーターのみの力で進んでいく。道路は結構混んでいるので、時速30kmくらいでゆっくりと走行した。

そのときのキャビン内ときたらとても静か。S60の静粛性の高さに加え、モーターだけで走行しているということが理解できる。

雨も降っていたので少し速度を上げると水を巻き上げるロードノイズが際立って聞こえ、いつも以上に気になってしまうほどだ。

渋滞を抜けて加速するとモーターによるアシストは役目を終え、いよいよエンジンが本領を発揮する。
 

ボルボ S60

トルクの急激な変化もないので余裕ある走りを展開できる。

このモデルはモーターとエンジンを違和感なく調和させている。

以前からあるツインエンジン AWDシステムであるが、S60に搭載するにあたりアップデートしており、唐突なトルク特性は改善したようだ。

結果として前後のトラクションの具合がいい。コーナリングでもボディの重さを感じさせないくらい軽快に走らせることができる。
 

ボルボ S60

調子に乗って走っていると、あっという間にバッテリーの残量は少なくなる。なので走行モードを変えてバッテリーを充電するなど、自分のライフスタイルに合ったモード選択をするとツインエンジン AWDを有効に使うことができるに違いない。

このモデルは安定性がFFよりも確実に増している。折を見て様々な路面の状況下かつ長い距離を走りたい。そう思わせるほどロングディスタンスを期待できる心地よさである。
 

文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●T6 ツインエンジン AWD インスクリプション

型式 5LA-ZB420PT6 最小回転半径 5.7m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.76m×1.85m×1.44m
ドア数 4 ホイールベース 2.87m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.6m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 2010kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 2285kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.15m
マニュアルモード
標準色

アイスホワイト、ブラック

オプション色

デニムブルーメタリック、バーチライトメタリック、クリスタルホワイトパール、オスミウムグレーメタリック、パイングレーメタリック、メープルブラウンメタリック、ペブルグレーメタリック、ブライトシルバーメタリック、サヴィルグレーメタリック、オニキスブラックメタリック、フュージョンレッドメタリック

掲載コメント

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型式 5LA-ZB420PT6
駆動方式 4WD
ドア数 4
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 アイスホワイト、ブラック
オプション色 デニムブルーメタリック、バーチライトメタリック、クリスタルホワイトパール、オスミウムグレーメタリック、パイングレーメタリック、メープルブラウンメタリック、ペブルグレーメタリック、ブライトシルバーメタリック、サヴィルグレーメタリック、オニキスブラックメタリック、フュージョンレッドメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.7m
全長×全幅×
全高
4.76m×1.85m×1.44m
ホイール
ベース
2.87m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.6m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 2010kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2285kg
最低地上高 0.15m
掲載用コメント -
エンジン型式 B420 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ&スーパーチャージャー 燃料タンク容量 60リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1968cc 燃費(WLTCモード) 13.7km/L
└市街地:14.8km/L
└郊外:10.8km/L
└高速:16.1km/L
燃費基準達成 -
最高出力 253ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
350(35.7)/5000
エンジン型式 B420
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ&スーパーチャージャー
可変気筒装置 -
総排気量 1968cc
最高出力 253ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
350(35.7)/5000
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 60リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 13.7km/L
└市街地:14.8km/L
└郊外: 10.8km/L
└高速: 16.1km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。