【試乗】新型 ボルボ XC60 B5|人気モデルに待望のマイルドハイブリッド「B5」が登場!
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
2020/07/18
ガソリンターボモデルのT5の後を継ぐのがマイルドハイブリッドのB5だ
ボルボのSUVシリーズの中核を担うXC60は、フラッグシップである90シリーズの骨格とデザインコンシャスを使いながら、一回り小さくしたモデルである。
パワートレインはディーゼルターボの「D4」、ガソリンターボ+スーパーチャージャーを搭載したPHEVの「T8ツインエンジン」、そしてガソリンターボモデル「T5」の代わりに今年4月下旬に導入したマイルドハイブリッドの「B5」を加えた計3タイプ。
今回試乗したのは、最も新しいグレードとなるマイルドハイブリッドの「B5」。
ボルボというメーカーは、横置きエンジンベースのシャシーを上手に使いプレミアム性を構築したブランドだ。
本来、エンジン横置きシャシーのみの設定ではプレミアムブランドを構築することが難しいのだが、ボルボはデザインとそれに伴う質感の高さ、そして安全性に長けた電子テクノロジーを導入してスマートで知的な印象を作り出しているブランドだ。
そんなボルボが販売主力モデルのXC60に投入してきたのは、ハイブリッドモデル。2L4気筒ガソリンターボに、エンジンを補うサブパワーソースとして48Vの電動モーターを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様だ。
このシステム、日本では以前より軽自動車にも導入されているため特に目新しいものではないが、重量のある大柄なSUVであるXC60とのマッチングはどうだろうか。
見た目の進化はエンブレムだけも、注目すべき進化はその中身
外見からのグレード判別ポイントはリアのエンブレムだけとなるが、新しいパワートレインの搭載に伴い、エンジンを含めた中身の改良が施されているとのこと。
そこで、ユーザーの使い方をイメージしながら、都内から首都高速を使って千葉県の富津まで試乗した感想をお伝えしたい。
B5に乗り込めばボルボならではというか、相変わらずキャビンの雰囲気が良く好感がもてる。特にシートのホールド感とゆったりとしたシートポジションは、ランドローバー系にも似た雰囲気だ。
すでにエンジンは始動していたが、アイドリングの静粛性はとても高い。
再度、エンジンを止めて再始動させてみたが、マイルドハイブリッドのスタータージェネレーターが強力にクランクを回し、瞬間的に始動する。
ゆっくりとスタートしながら、高速の本線合流で加速感を試してみた。
燃料消費が多い発進時はモーターのみでスルスルと走り、加速のアクセルオンでエンジンに切り替わるが、そこに違和感はない。ターボエンジンのほんのちょっとしたトルクの谷間を、モーターが見事に埋めることでドライバビリティを向上させていることが、中速域までの加速でよくわかる。
中速域までの乗り心地と静粛性は、以前に試乗したガソリンターボAWD のT5よりも熟成させてきた印象だ。
さらに、高速かつ左右にコーナーが続くような首都高では、ステアリングの正確性とスタビリティの高さがT5に増してよくなっている印象を受けた。
また、後ろの席も使った大人3名乗車で、乗り味が最もしっとりとすることからXC60のユーザー用途を意図したセッティングに上手さを感じた。
一方、バイワイヤー式のブレーキコントロール性はとてもいいのだが、バッテリーがフル充電に達したときは、踏んだときのリニア感に変化が生じる。とはいえ、回生式のハイブリッドでは難しい制御ではあるのだが……。
改良されたというエンジンだが、中速域から一気に高速領域に速度を上げたときのノイズ感は否めなかった。ただ、SUVでこのようなフルスロットルに近いシーンが多発するような使い方はまず訪れないとは思うが。
このサイズのSUVの用途を考えれば、ストップ&ゴーが繰り返される市街地利用は多いはず。発進時の燃費に優れたハイブリッドの恩恵は大きいに違いない。
また、荷物や人を乗せた状態での長距離移動では、さらにB5のメリットが際立つことになるだろう。
【試乗車 諸元・スペック表】
●B5 AWD モメンタム 4WD
型式 | 5AA-UB420TXCM | 最小回転半径 | 5.7m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.69m×1.9m×1.66m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.87m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.66m/1.66m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1890kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2165kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ブラック |
||
オプション色 |
クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、マッセルブルーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、パイングレーメタリック、オニキスブラックメタリック、メープルブラウンメタリック、フュージョンレッドメタリック、ルミナスサンドメタリック |
||
掲載コメント |
- |
エンジン型式 | B420T2 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 60リットル |
可変気筒装置 | ◯ | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
11.5km/L
└市街地:8.3km/L └郊外:11.9km/L └高速:13.5km/L |
燃費基準達成 | H27年度燃費基準 +10%達成車 |
||
最高出力 | 250ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/4800 |
型式 | 5AA-UB420TXCM |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ブラック |
オプション色 | クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、マッセルブルーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、パイングレーメタリック、オニキスブラックメタリック、メープルブラウンメタリック、フュージョンレッドメタリック、ルミナスサンドメタリック |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.7m |
全長×全幅× 全高 |
4.69m×1.9m×1.66m |
ホイール ベース |
2.87m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.66m/1.66m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1890kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 2165kg |
最低地上高 | 0.22m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B420T2 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | ◯ |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 250ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/4800 |
環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 60リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 11.5km/L
└市街地:8.3km/L └郊外: 11.9km/L └高速: 13.5km/L |
燃費基準達成 | H27年度燃費基準 +10%達成車 |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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