トヨタ アクア▲トヨタ アクア(現行型)の中古車はプレミア相場が続いていたが、ようやく新車より安い中古車が見つかるようになってきた

新車は納車まで半年以上。中古車の価格が高騰していたが……

昨今、半導体不足やロジスティクスの停滞により、世界的に新車の製造に影響が出ているのはご承知のとおり。これにより新車では長期の納車待ちが発生し、その納期を短くするため高年式で低走行の中古車を購入するという人が増えているようです。

2021年7月に登場したトヨタ アクア(現行型)にもその傾向が見られます。トヨタの公式発表によると8月1日時点で新車の納期は6ヵ月以上待ちで、新車価格より30万円近く高い値が付いている中古車もあります。

トヨタ アクア ▲3月頃から中古車の数が増え、ようやく中古車の平均価格も下落に転じ始めた

一方、デビューから1年経過したことで中古車の流通量も徐々に増え始め、新車価格と同程度、もしくはそれよりも安い車両本体価格の中古車が見つかるようになってきました。

そんなアクア(現行型)の中古車事情を見ていきましょう。
 

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トヨタ アクア(現行型)
 

【モデル概要】アクア(現行型)は先進安全装備が充実

トヨタ アクア
トヨタ アクア ▲フロントバンパーからAピラーを通り、ルーフまで一直線にラインが伸びるモノフォルムシルエットを採用。張り出したリアフェンダーが踏ん張り感を演出している

2021年に満を持して登場した2代目となる現行型アクア。

初代のイメージを引き継ぎながらも、「Harmo-tech」(知性・感性を刺激する、人に寄り添う先進)というコンセプトが示すとおり、上質で温かみのあるデザインを採用しています。

トヨタ アクア
トヨタ アクア ▲シンプルな造形のインテリア。ホイールベースの拡大により居住空間が広くなった

インテリアは長く乗っても飽きのこないシンプルで上品な造形になっています。初代はレバー式だったシフトノブは、2代目でジョイスティックタイプに変更されました。

プラットフォームはヤリスなどに採用されているGA-Bプラットフォームを使用。初代よりホイールベースが50mm延長され、リアシートの居住性が高められています。また、初代にはなかった4WD(E-Four)も設定されました。

駆動用バッテリーには、初代アクアに比べて2倍の出力になったバイポーラ型ニッケル水素電池を世界初採用。モーターのみで走れる時間が大幅に長くなったことで、WLTCモードで30~35.8km/Lという低燃費を達成しています。

トヨタ アクア ▲駐車に関するすべての操作を支援するトヨタチームメイト アドバンストパークを全グレードオプション設定

先進安全装備は全グレードにToyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)を標準装備。その内容は次のとおりです。

■プリクラッシュセーフティ(歩行者<昼・夜>、自転車運転者<昼>)
■レーントレーシングアシスト
■レーダークルーズコントロール
■オートマチックハイビーム
■ロードサインアシスト

他にも先行車発進告知機能が全グレード標準装備、パーキングサポートブレーキは「Z」と「G」に標準装備されます。

また、駐車時にハンドル・ブレーキ・アクセル・シフトチェンジなどすべての操作を車が支援するトヨタチームメイト アドバンストパークや車両横の静止物も検知するパーキングサポートブレーキが全グレードオプション設定されました。
 

 

【グレード構成】上級グレードは大型ディスプレイを搭載

トヨタ アクア ▲上級グレードの「Z」にはBi-Beam LEDヘッドライトや15インチアルミホイールが標準装備になる

2022年8月時点で、2代目アクアには4つのグレードが設定されています。グレード構成は以下のとおりです(<>内は新車価格)。

■B<FF:198万円 4WD:217.8万円>
装備を簡素化して価格を抑えるとともに、燃費性能を高めたグレード

■X<FF:209万円 4WD:228.8万円>
量販グレード。ピアノブラック加飾のインパネセンタークラスターを標準装備。ブラインドスポットモニターやパーキングサポートブレーキをオプション設定(Bでは設定なし)

■G<FF:223万円 4WD:242.8万円>
中間グレード。本革巻ステアリングパーキングサポートブレーキ(前後方静止物)、バックガイドモニター、ナノイーX付きオートエアコンを標準装備

■Z<FF:240万円 4WD:259.8万円>
上級グレード。10.5インチディスプレイを標準装備、カラーヘッドアップディスプレイをオプション設定
 

 

【中古車の流通状況】各グレードの2割程度がお得な価格に

トヨタ アクア ▲中古車の流通量が比較的多いのは上級グレードの「Z」

現在、2代目アクアの中古車は170台弱流通。価格帯は総額190万~300万円となっています。

「B」は流通量がかなり少ないので、ここでは現実的に狙える「X」、「G」、「Z」で新車と比較してお得になっている物件の状況を見てみましょう。3つのグレードの流通量は50~70台ほどと大きな差はありません。

「X」「G」「Z」いずれも、新車価格より車両本体価格が安くなっている物件は15~20台ほど。いずれも走行距離が数千kmという低走行車ばかりですが、一部修復歴あのある物件もあります。

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トヨタ アクア(現行型) × 「X」 × 車両本体価格209万円以下

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トヨタ アクア(現行型) × 「G」 × 車両本体価格223万円以下

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トヨタ アクア(現行型) × 「Z」 × 車両本体価格240万円以下

また、新車価格より安くなっているのはほとんどが2WD。4WDモデルは流通量が少ないこともあり、まだ価格的なお得感がある物件は探しにくい状況です。

4WDが条件で納期をできるだけ短くしたいという人は、こまめに物件をチェックしてお得な物件を探してみてください。

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トヨタ アクア(現行型) × 4WD

新車の納期が縮まらないため、まだ新車より安い現行型のアクアは多くはありません。ただ、ディーラー扱いの認定中古車や登録済未使用車の割合は高くなっています。

お得な価格で装備やカラーなど条件が合致したものがあれば、早めのアクションをオススメいたします。

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トヨタ アクア(現行型) × 全国

※記事内の情報は2022年8月3日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/トヨタ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL