現役レーサーで元ホームラン王の山崎武司が語る「僕が車を好きなワケ」
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2015/07/10
プロ野球界伝説のスラッガーに車にまつわるエピソードを聞く
「元プロ野球選手の山崎武司氏、レーサー転向」――昨年7月、スポーツ界に衝撃のニュースが走りました。
山崎さんといえば、プロ野球ファンなら誰もが知っているスラッガー。現役時代は中日ドラゴンズ、東北楽天ゴールデンイーグルスなど延べ3球団に在籍し、ホームラン王(セ・パ両リーグ)を2回、打点王を1回獲得してチームの主軸打者として大活躍。2013年に引退するまでに1834安打、403本のホームランを放ちました。
そんな山崎さんが、なぜレーサーに? そしてプロ野球界屈指の車好きとしても知られる山崎さんの素顔とは? 今回はそんな山崎さんに車が好きになったキッカケを中心にお話を聞いてみました。
「イイ車に乗りたい」という思いが若手時代のモチベーションに
―山崎さんが車を好きになったキッカケは何ですか?
山崎:最初のキッカケはミニカーですね。子供のころ、おふくろとスーパーに買い物に行くとミニカーをよく買ってくれたんです。おもちゃは全般的に好きだったんですが、中でもミニカーがいちばん好きでした。
あと、僕が小学生くらいのときってちょうどスーパーカーブームの真っただ中で。当時、ランボルギーニ カウンタックとかスーパーカーが大きなスーパーの駐車場によく止まっていて、1000円払うと助手席に乗せてくれて駐車場を1周してくれるイベントがあって、よく乗っていましたよ(笑)。そのころは「大人になったらカウンタックに乗る!」って夢見ていました。
―では、これまでの愛車遍歴を教えてください。
山崎:今までで30台以上乗り継いできたけど、最初に乗ったのはトヨタ ソアラの2.0GTツインターボ。18歳で中日ドラゴンズに入団したときです。契約金はおふくろに全部渡したけれど、どうしても欲しい車だったからそれだけは契約金で買いました。当時生活していた寮は車の持ち込みが禁止されていたので、実家に置いてね。
その1年後にはソアラの3.0GTリミテッドに乗り替えて、21~22歳ごろにBMWの5シリーズ(535i)が流行り出したので、それも乗っていました。
―華々しいラインナップです。さすがプロ野球選手といいますか……。
山崎:このころはまだバリバリの2軍選手だったんですけどね(笑)。ただ、当時は厳しい先輩も多かったから買った車は全部実家に置いて、帰省したときに乗るって感じでした。子供のころに憧れていたランボルギーニに乗りたいとは思ったけれど、やっぱり人には“身分相応”ってものがあります。だから2軍にいたころは「1軍に行って、もっとイイ車を乗ってやる!」というのを励みに練習に打ち込みました。
―その結果が1996年に獲得されましたホームラン王?
山崎:そうかもしれません(笑)。タイトルを獲ったこともあり、憧れのカウンタックLP500クワトロバルボーレを買おうと思ったんです。それで実車を見に行ったんですが、思ったより乗り降りしづらくて……。それで結局、ベンツ SL600 6.0のAMGを購入しました。
「プロ野球選手とは“夢を与える仕事”」
―話を聞いていて気になったのですが、山崎さんはいわゆるハイスペックな車がお好きなのですか?
山崎:それもありますが、僕はプロ野球選手ってファンや子供たちに“夢を与える仕事”だと思っているんです。例えば、何の変哲もない大衆車より、ランボルギーニやベンツみたいな高級車から選手が出てきた方がファンや子供たちは喜んでくれるのではないか。僕は今でもそういう面を意識していますよ。
―素晴らしいと思います。ところで話は変わるのですが、事前に聞いたアンケートで「気になる車」としてトヨタ 86を挙げられていましたが、やはりレースで乗っているからでしょうか?
山崎:そうですね。もちろんそれだけでなく、微力ながら86のレース界を盛り上げたいと思っていることも理由です。
また、個人的にもレースしていて面白い車だと思います。コーナーでミスしたらストレートで巻き返すことがなかなかできない。ほんの少しのミスが命取りになるので正確に走らないといけない、というのが86でレースをする面白さですね。
―なるほど。最後に7月11、12日に開催される宮城県のスポーツランドSUGOで行われる「GAZOOレーシング 86/BRZレース」への意気込みをお願いします!
山崎:今度の舞台であるスポーツランドSUGOは、僕が楽天時代にお世話になった仙台の近くにあります。なので、仙台や東北の皆さんに僕の元気な姿を見せたいですね。「山崎、レースなんかやってるんだ!」と思ってもらえれば嬉しいです。もちろん、僕もレースでは見せ場を作れればと思っています。