味わい深いネオクラシックベストテン《後編》【なんでもベスト10】
カテゴリー: クルマ
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2010/05/10
時間の経過とともに渋さを増す車たち
車は耐久消費財でありながら、ファッションであり、所有する喜びもあるツールでもあります。今回ご紹介する10台は、たとえ古くなっても所有し続けたくなる魅力や個性がある車ばかりです。グローバルスタンダードの名の下に消え行く個性を、今から味わっても遅くはありません。すでに古い車ばかりですから、今後はもっと渋さが出てくることでしょう。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。
第5位はマセラティ3200GT(絶版)。路面に伝えきれないほど暴力的な加速力は、"欠陥車"と言いたくなるほどワイルドでした。また同時に、今となっては強烈な個性にも感じます。上品なセクシーさを感じさせる内外装に関しては、文句のつけどころがありません。フェラーリと並ぶ老舗スーパーカーブランドでありながら、200万円台から狙えるほど買いやすい価格で流通しています。走りの絶対性能では古臭い面も否めませんが、年々味わい深い存在になるでしょう。
第4位はキャデラックコンコース(絶版)。アメリカ人が考えた最高級セダンが、コンコースだと言ってもいいでしょう。全長5.3mもあるボディサイズは、富の象徴が大きさにあることを教えてくれます。低回転域から図太いトルクを発生させ、モソーっと加速していきます。フラットライドを追求した足回りは、柔らかすぎと感じることもあるかもしれません。でも、それが当時のアメリカ人が求めた高級車の資質。個性的で今後は際立った存在になるでしょう。
第3位はホンダS2000(絶版)。マツダロードスター同様、絶対性能よりも運転する快楽を教えてくれる車です。ホンダ創立50周年記念モデルとして誕生し、愚直なまでにスポーティに仕上げられています。ホンダにとっては久しぶりのFRオープン2シーターに電子制御デバイスは一切ありませんし、思いのほかスパルタンでゴーカートのような一体感を味わえます。レーシングマシンのようなS2000のスパルタンさは、いつまでも色褪せることがないと思います。
第2位はBMW5シリーズ(旧々々型)。高級車の快適性を測るうえで語られるNVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)では、ライバルに劣るかもしれません。でも、スポーティな雰囲気を剥き出しにした5シリーズは、このモデルまで。以降、NVHに配慮した車作りをしていますから。そういう意味では、BMWの個性が前面に打ち出されていたんです。ドアの内張りが浮き上がってきたり天井が垂れてきたりしますが、コツコツ直すのもネオクラシックの楽しみ。
第1位はトヨタセンチュリー(旧型)。ロールスロイスを参考にしたのか、操作系の軽さとハンドリングが似ています。現代の車とは違い、物理の法則どおり慣性に振り回されます(笑)。エンジンは排気量の割に非力ですし、足回りはフニャフニャです。エンジンは耐久性と信頼性を考慮したうえでのキャリーオーバーでしょうし、どこまでもフラットライドを追求した柔らかさなのでしょう。不出来な面も否めませんが、昔の日本を知る原点かもしれません。