「低燃費・安全・頑丈」な先代フォルクスワーゲン ポロが総額100万円以下! でも、それって本当にお値打ちなの?
2021/06/26
「これが総額100万円以下」は確かに魅力的だが?
「輸入車に乗りたい」
「でも大きなやつじゃなく、コンパクトカーがいい」
「古い年式ではなく、安全装備が充実してる最近の車がいい」
「それで、予算は100万円以下でなんとかしたい!」
……虫の良すぎる願いにも感じるが、そんな願いをかなえる輸入車がないわけではない。
ドイツのフォルクスワーゲンが作っている「ポロ」というコンパクトカーの、“1個前”のやつを探せばいいのだ。
先代ポロ(の後期型)であれば間違いなく「輸入車」であり、「安全装備も充実」していて、そして走行距離5万km以下ぐらいの物件でも「総額100万円以下」で普通にイケる。
これにてめでたしめでたしなわけだが、世の中「おいしい話」というのは基本的にはないわけで、おいしそうに聞こえる話には、たいてい「裏」があったりもする。
先代フォルクスワーゲン ポロの総額100万円以下の中古車にも、何らかの「裏」があるのだろうか? 様々な角度から見てみることにしよう。
後期型から燃費が向上し、自動ブレーキ等も標準装備
まずは、フォルクスワーゲン ポロという車について簡単に紹介しよう。
ポロは、ドイツのフォルクスワーゲンが1970年代から作り続けている人気のコンパクトカー。そのサイズ感は、常に「ゴルフよりちょっと小さいぐらい」といった感じである。
トヨタのヤリスやホンダのフィットとだいたい同じくらい。扱いやすい大きさのコンパクトカーである。
今回注目する「先代ポロ」というのは、2009年10月から2018年2月まで販売された5代目のフォルクスワーゲン ポロ(※カーセンサーnetではデータベースの都合から「3代目」となっている)。
約9年間にわたって生産された先代フォルクスワーゲン ポロをざっくり世代分けすると、下記のとおりとなる。
■初期型:2009年10月~2010年5月
1.4Lの自然吸気エンジン(ターボではないエンジン)を搭載した最初期モデル。これはエンジンが正直イマイチで、年式的にも今や古いので、あまりオススメしない。
■前期型:2010年6月~2014年7月
1.2L+ターボという今どきの「ダウンサイジングエンジン」に変更された世代。先進安全装備は付いていないが、このエンジンは悪くない。
■後期型:2014年8月~2018年2月
1.2Lターボエンジンが改良され、燃費が5%向上。そして、衝突の軽減や回避を行うプリクラッシュブレーキシステム「フロントアシストプラス」などが標準装備となった。
今回オススメしたいのは、先進安全装備が付くようになり、燃費性能も向上した「後期型」の先代ポロだ。
先代でも古く見えず、走行性能も特に不満なし
しかし、後期型先代フォルクスワーゲン ポロという選択はぶっちゃけどうなのか? いろいろと検証してみることにしよう。
まずは「デザイン」である。いくら買いやすい相場であったとしても、あまりにもビジュアル的にダサいというか古くさい車は、正直買いたくないもの。
しかし、2018年3月に行われた先代から現行型へのフルモデルチェンジは「キープコンセプト」といったニュアンスでデザイン変更が行われたため、先代と現行型の違いはほとんどわからない――というのは言い過ぎだが、「そんなに大幅には変わらない。あまり古く見えない」とは言えるはず。
もちろん、なんだかんだで現行型の方がシュッとしていてカッコいいのは当然だが、先代後期の内外装デザインも「まだまだある程度イケてる」とは評せるだろう。
お次は、走りに関する諸性能である。
車のフルモデルチェンジというのは(当たり前の話だが)諸性能の向上を伴うのが普通ゆえ、走りに関する諸性能を先代と現行型とで比べれば、当然ながら現行型の方が上となる。
具体的には、現行型のポロは「MQB」という新しい世代の車台を使っており、エンジンも4気筒の1.2Lターボから3気筒の1Lターボにダウンサイジングされたのだが、パワーはむしろ向上している。
そして、各種先進安全装備のクオリティも当然ながら上がっている。
しかし、だからといって先代後期型の走行性能や安全性能が「悪い」というわけでもない。むしろ、先代ポロ後期型のそれは「いまだ良好」といえる。
それ以上にモロモロが向上した新型が登場したために、あくまでも相対的な地位が低下した――というだけのことなのだ。
ということで、「すべてにおいて最新、最上」を求める人は現行型を買った方がいいが、そうでないない人がフツーに使う分には、先代後期の走行性能と安全性能でも「普通に十分」と言えるだろう。
ACC付きの物件も総額100万円以下でOK!
では、そんな先代フォルクスワーゲン ポロの中古車は、具体的にどの世代がいくらぐらいで買えるのだろうか?
前期型は総額35万円ぐらいからでも探せるのだが、ここまで繰り返してきたとおり、各種の先進安全装備が付くようになった後期型(2014年8月~)を選ぶのが、なんだかんだで得策であり、お得でもある。
ちなみに、後期型で採用された安全装備は下記のとおりだ。
【標準装備】
・フロントアシストプラス:ミリ波レーダーで前方車両を検知しながら、衝突の軽減や回避を行うプリクラッシュブレーキシステム
・マルチコリジョンブレーキシステム:衝突や追突などの際に周囲の車の巻き込みを防ぎ、被害拡大を抑止させる機能
・ドライバー疲労検知システム
【オプション装備】※「コンフォートライン アップグレードパッケージ」では標準装備
・アダプティブ・クルーズ・コントロール:ACC。レーダーで前方車両との車間を監視し、自動的に加減速を行ってくれるシステム
・リアビューカメラ
オプション装備だったアダプティブ・クルーズ・コントロール(略称=ACC)やリアビューカメラが装着されている「TSIコンフォートライン」(のコンディション良好なやつ)を見つけることができたなら、なかなかお買い得といえるだろう。
で、そのような先進安全装備付きとなった後期型の先代ポロであっても、総額100万円以下で、走行5万km以下の物件をごく普通に見つけることができる。
もちろん、総額80万~100万円付近で探せるのはエントリーグレードである「TSIコンフォートライン ブルーモーション テクノロジー」か、もしくはその「アップグレードパッケージ」が中心にはなる。
だが、それでも各種の装備と走行性能、そして各部の質感は十分以上であり、同価格帯で狙える国産エントリーモデルの中古車とは「雲泥の差がある」ともいえるのだ。
以上のとおり、オススメはあくまでも「先進安全装備が付いた後期型」ではあるのだが、世の中には「そんなモノは不要!」と考える人もいらっしゃるはず。
その場合には、前期型の低走行物件(5万km以下の物件)を総額50万~70万円ぐらいで狙ってみる――というのもシブい選択ではあり、その流通量もいちおう豊富にある。
いずれにせよ先代フォルクスワーゲン ポロ後期型の中古車は、「整備履歴がしっかりしているコンディション良好な物件をじっくり探す」という条件付きではあるものの、手堅い輸入コンパクトをリーズナブルな予算感で購入したいと考えている人には、まさにうってつけな選択肢のひとつ。
決して怪しいものではないので、下記の物件リンクを気軽にクリックしていただき、まずは直感的にグッとくる物件があるかどうかを確認していただけたならば幸いだ。
▼検索条件
フォルクスワーゲン ポロ(3代目) × 後期型 × 総額100万円以下 × 全国▼検索条件
フォルクスワーゲン ポロ(3代目) × 全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
この記事で紹介している物件
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