ポルシェ 911(991型)がカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2023 第1位に! 世界を代表するスポーツカーの今の中古車価格や掲載台数は?
2023/12/17
ドイツのポルシェ 911(991型)が並み居る国産人気車を抑えて第1位に!
「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」においては毎年上位につけていた991型ポルシェ 911だったが、今年2023年、ついに第1位の座に輝いた。
そもそも「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」とは、カーセンサーだけがもっている膨大なデータを基にした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング。日本国内では一般的に人気が高い「国産車の人気モデル」を差し置いて、ドイツのスポーツカーである991型ポルシェ 911が1位となったのは少々驚きではある。だが991型のいまだ根強い人気と、いまだ超一級品といえる個性およびパフォーマンスから考えれば、特段不思議なことではないのかもしれない。
この記事では、そんな991型ポルシェ 911のモデル概要をあらためて整理するとともに、その中古車状況と「ケースごとのオススメの買い方」を考えてみることにしたい。
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ポルシェ 911(991型) × 全国【モデル概要】2011年に登場した通算7代目のポルシェ 911
991型ポルシェ911に強い興味を抱いている各位には釈迦に説法だろうが、ポルシェ 911とは、1963年のプロトタイプ発表から現在まで脈々と続いている、リアエンジン・リアドライブの2+2スポーツ。
今となっては「ナロー」と呼ばれる初代901型と、1974年または1977年からの930型、1989年登場の964型と1993年デビューの993型を経て、1997年発売の996型からは水平対向6気筒エンジンを水冷化。そして996型でいまひとつ不評だったヘッドランプの形状を伝統的な丸形へと戻した997型を経て、日本では2011年11月に受注開始となったのが、「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2023」で見事1位となった991型だ。
通算7代目のポルシェ 911として誕生した991型(タイプ991)は、従来型以上にホイールベースを延長するとともに前後トレッドを拡大し、同時に45kgにおよぶ軽量化などを行うことで、スポーツ性能と居住性の向上が図られた。
まず最初に上陸した「カレラ」と「カレラS」を皮切りに、その後四輪駆動モデルやターボモデル、高性能版自然吸気モデルを順次追加し、そして2015年途中にはエンジンのダウンサイジング化とターボ化などが行われたわけだが、それらの内容を本文形式で書き進めると(いろいろと膨大なため)読みにくくなってしまうはず。
そのため、991型主要モデルの変遷については以下、箇条書き形式にてご紹介したい。なお、カブリオレやタルガなどについては遺憾ながら割愛させていただくこととする。
●2011年11月|カレラおよびカレラS受注開始
・カレラ:3.4L NA/最高出力350ps/RWD/7MT・7速PDK
・カレラS:3.8L NA/最高出力400ps/RWD/7MT・7速PDK
●2012年8月|カレラ4およびカレラ4S受注開始
・カレラ:3.4L NA/最高出力350ps/4WD/7MT・7速PDK
・カレラS:3.8L NA/最高出力400ps/4WD/7MT・7速PDK
●2013年3月|GT3受注開始
・GT3:3.8L NA/最高出力475ps/2WD/7速PDK
●2013年5月|ターボおよびターボS受注開始
・ターボ:3.8Lターボ/最高出力520ps/4WD/7速PDK
・ターボS:3.8Lターボ/最高出力560ps/4WD/7速PDK
●2014年10月|カレラGTSおよびカレラ4 GTS受注開始
・カレラGTS:3.8Lターボ/最高出力430ps/2WD/7速PDK
・カレラ4 GTS:3.8Lターボ/最高出力430ps/4WD/7速PDK
●2015年9月|ビッグマイナーチェンジ実施
前期型の水平対向6気筒エンジンはカレラが3.4L、カレラSが3.8Lの自然吸気だったが、このマイナーチェンジでいずれも3Lツインターボにダウンサイジング。またPASM(電子制御式可変減衰ダンパー)が全車標準装備となり、「911ターボ」や「911 GT3」に先行投入されていた後輪操舵機構を、カレラSにオプションとして設定した。
●2015年9月|後期型カレラおよびカレラS受注開始
・カレラ:3Lターボ/最高出力370ps/RWD/7MT・7速PDK
・カレラS:3Lターボ/最高出力420ps/RWD/7MT・7速PDK
●2015年10月|後期型カレラ4およびカレラ4S受注開始
・カレラ4:3Lターボ/最高出力370ps/4WD/7MT・7速PDK
・カレラ4S:3Lターボ/最高出力420ps/4WD/7MT・7速PDK
●2015年12月|後期型ターボおよびターボS受注開始
・ターボ:3.8Lターボ/最高出力540ps/4WD/7速PDK
・ターボS:3.8Lターボ/最高出力580ps/4WD/7速PDK
●2017年4月|後期型GT3受注開始
・GT3:4L NA/最高出力475ps/2WD/7速PDK・6MT
●2017年12月|カレラT受注開始
・カレラT:3Lターボ/最高出力370ps/2WD/7速PDK
●2019年8月|新型「タイプ992」カレラの受注を開始
以上が、991型911の主要モデルの変遷となる。次章では気になる現在の中古車状況を見ていこう。
【中古車状況】MT車はかなり希少。流通の中心はRRのPDKモデル
2023年12月中旬現在、991型ポルシェ 911の中古車流通台数は約330台で、価格帯は総額740万~6700万円、平均価格は1351.7万円となっている。
しかし、このように「すべての991型」を対象とする数字にはあまり意味がないため、大まかなグループ別の数字を見てみることにしよう。まずは前期型のカレラ系とカレラS系から(※以下の数字はすべて2023年12月8日現在)。
●前期型カレラ
・7MT|2台|総額1270万~1600万円
・PDK|33台|総額740万~1080万円
●前期型カレラS
・7MT|2台|総額1500万円
・PDK|33台|総額750万~1300万円
●前期型カレラ4
・7MT|0台|総額――万円
・PDK|8台|総額740万~1080万円
●前期型カレラ4S
・7MT|0台|総額――万円
・PDK|7台|総額1060万~1400万円
自然吸気エンジンを搭載していた前期型カレラ系/カレラS系は、おしなべてMT車が希少であり、中古車価格も高め。また4WDグレードの流通量もかなり少なめとなっている。そのため前期型のカレラ系/カレラS系が欲しいのであれば、「2WDのPDK車の中から選ぶ」というのが、とりあえずは基本となりそうだ。4WDでも、カレラ4S PDKなら「なんとか探せる」といったニュアンスだろうか。
次に、3Lのダウンサイジングターボとなった後期型のカレラ系/カレラS系を見てみよう。
●後期型カレラ
・7MT|3台|総額1400万~1600万円
・PDK|55台|総額800万~1500万円
●後期型カレラS
・7MT|1台|総額1500万円
・PDK|24台|総額1050万~1600万円
●後期型カレラ4
・7MT|0台|総額――万円
・PDK|12台|総額1000万~1500万円
●後期型カレラ4S
・7MT|2台|総額1500~1800万円
・PDK|13台|総額1050万~1500万円
エンジンがターボ化された後期型においても「MT車は超希少」という状況は変わらない。また4WDグレードも前期型と同様に少なめではあるが、後期型のカレラ4またはカレラ4SのPDK車であれば「ほどほどの数は流通している」ということができそうだ。
またこの他、「ターボ」と「GT3」「GTS」の価格状況は以下のとおりとなっている。
●ターボ
・前期型|4台|総額1300万~1600万円
・後期型|7台|総額1500万~2000万円
●GT3
・前期型|3台|総額1700万~2000万円
・後期型PDK|9台|総額2200万~2600万円
・後期型6MT|9台|総額2300万~2700万円
●GTS
・カレラGTS|34台|総額1200万~1900万円
・カレラ4 GTS|13台|総額1500万~1900万円
ターボとGT3はさすがに流通量少なめで、当然ながら価格も高めとなっているが、カレラSとGT3の中間に位置する「カレラGTS」の2WD車は意外と流通量が多く、価格も、この種の車としては「高すぎはしない」と言うことができそうだ。
なお、991型911の中古車には3000万円を超える高価格帯の物件もちらほら存在するが、それらはGT2 RSをさらに軽量化しハイパフォーマンス仕様にした「ヴァイザッハパッケージ」や、限定車の「R」など、かなり特殊な個体になる。
以上を踏まえ、今タイプ991の中古車を狙うならどのようなものがオススメか、ケースごとに考えていこう。
【中古車のオススメ1】なるべく安く買いたいなら前期型カレラPDK
991型ポルシェ 911の中古車を「とにかく安く買いたい」と考えるのであれば、狙うべきは「前期型のカレラPDK」ということになる。
前期型であってもカレラS以上のグレードを買うとなると、そこそこの予算が必要となるが、前期型の中では最もベーシックなグレードである「PDKのカレラ」であれば、走行距離多めの物件が総額750万~800万円、走行5万km以内を目安とするグループでも総額850万~900万円ぐらいでイケるのだ。
もちろんこの価格を「格安である」と言うつもりはない。だが世界的名作である991型ポルシェ911を手に入れるための予算と考えるならば、決して「高すぎる」ということもないのではあるまいか?
そして991型の中では最もベーシックな「PDKのカレラ」であっても、その走行性能やフィーリング、たたずまいなどは、凡百の車とはすべてが異なっている。それゆえ「おおむね800万~900万円」を拠出するだけの価値は、ありすぎるほどあると考える次第だ。
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ポルシェ 911(991型) ×2011年11月~2015年8月生産モデル×カレラPDK× 全国【中古車のオススメ2】程度重視で選ぶなら、走行3万km以下の各グレード
いわゆる「程度重視」で991型ポルシェ 911を探すのであれば――もちろん走行距離だけが中古車選びの指針になるわけでは決してないのだが、それでもやはり「なるべく低走行な物件を選ぶ」という行為が、基本的には“程度”を担保する結果につながりやすいだろう。
何kmをもって「低走行」とするかは意見が分かれるところだが、仮に「走行3万km以下=低走行」とするのであれば、各グレードにおける支払総額の目安はおおむね以下のとおりとなる。
【自然吸気エンジン搭載の前期型を狙いたい場合】
・カレラPDK:総額900万~1100万円
・カレラ4 PDK:総額1100万~1200万円
・カレラS PDK:総額1100万~1300万円
・カレラ4S PDK:総額1200万~1400万円
【より年式的に新しい後期型を狙いたい場合】
・カレラPDK:総額1100万~1400万円
・カレラ4 PDK:総額1100万~1500万円
・カレラS PDK:総額1200万~1500万円
・カレラ4S PDK:総額1200万~1500万円
【年式にかかわらずMTのカレラ系が欲しい場合】
・グレードを問わず総額1300万~1500万円(ただしかなり希少)
【ターボなどのスペシャルモデルが欲しい場合】
・ターボ:総額1500万~2000万円
・GT3:総額2000万~2700万円
・GT3 RS:総額2300万~3600万円
・GTS:総額1500万~1900万円
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ポルシェ 911(991型) ×走行距離3万km以下× 全国【中古車のオススメ3】ポルシェの真髄を味わいたいなら軽量な「カレラT」か?
こちらの項は「ポルシェの真髄を味わいたいなら」というお題であるが、そもそもポルシェの“真髄”とは何であるかを考え始めると、ちょっと大変なことになってくる。
人によっては「ナロー時代に代表される“軽さ”こそがポルシェの真髄である」と考えるだろうし、また別の人は、GT3 RSなどに代表される「究極の高性能」こそがポルシェの真髄であると考えている可能性もある。要するに「答え」はないのだ。
ならば、ここで筆者が勝手に「筆者が考えるポルシェの真髄」を定義しても良いのだが、それではあまりにもアレであるため、ここはやはり「ポルシェ社の公式見解」を参考にすることとしたい。
といっても、ドイツのポルシェ社が「コレがウチの真髄ですよ」と公式に言っていたわけではないのだが、1968年にデビューした911 Tの根底にあった純粋なスポーツカーとしてのコンセプト、つまり「軽量/クロスレシオのMT/機械式リアディファレンシャルロックを装備した後輪駆動」といった要素を2017年10月に復活させた「ポルシェ 911カレラT」こそが、「ポルシェの真髄をかなり体現している991型911である」と言うことはできるはずだ(※日本仕様はMTではなくPDKだが)。
そんな991型ポルシェ 911カレラTの中古車は2023年12月中旬現在、約7台が流通中で、価格は総額1550万~1600万円といったところ。“真髄”を味わうための予算としては、おおむね妥当なところだろう。
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ポルシェ 911(991型) × カレラT×全国▼検索条件
ポルシェ 911(991型) × 全国※記事内に誤った画像が含まれていたため、2023年12月20日に削除いたしました。申し訳ありませんでした
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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