Vクラスの中古車価格が約1年で110万円ダウン&200万円台後半から狙える! メルセデス・ベンツの人気ミニバン、今オススメの買い方・選び方は?
2025/03/28

マイナーチェンジ前の世代であればかなり現実的
2015年に登場した現行型メルセデス・ベンツ Vクラスは、同クラスとしては通算3代目にあたる3列シートのミニバン。それまでのVクラスのコンセプトを継承しながらも、走行性能から快適性、安全性、質感に至るまでの全方位が劇的に進化した3代目Vクラスは、「国産ラージサイズミニバンでは飽き足らない」と考える層から高く支持されている、きわめてプレミアムなMPV(マルチパーパスビークル)です。
しかし今、そんな現行型メルセデス・ベンツ Vクラスの中古車平均価格が過去1年間で110万円以上ダウンしており、最初のマイナーチェンジを受ける前の前期型世代であれば、総額200万円台後半でも狙えるという「おトク感」が発生してまいりました。
ということでこれを機に、3代目メルセデス・ベンツ Vクラスのお得な買い方やオススメグレードを研究してみることにしましょう!

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メルセデス・ベンツ Vクラス(現行型) × 全国モデル概要:3種類のボディを用意するドイツ製ラージミニバン
メルセデス・ベンツ Vクラスは、その初代モデルは1998年に登場した、メルセデスとしては初のMPV。2003年に登場した2代目は「ビアノ」という車名に変わりましたが、その後は「Vクラス」へと戻され、2015年10月に現行型(3代目)メルセデス・ベンツ Vクラスが上陸しました。
エクステリアは彫刻的なシェイプのボンネットやサイドのキャラクターラインが特徴的で、インテリアは、上質な素材や間接照明を用いることで高級感を強調。そのインパネまわりの質感とデザインは、高級セダンである「Sクラス」を思わせるものです。
シートは3列のシーターで、前から順に2人/2人/3人掛け。2列目と3列目のシートは脱着式で、例えば2列目を後ろ向きにして後席の乗員5人が向かい合う状態にしたり、2列目だけを取り外す、あるいは2列目と3列目の両方を外して荷室を最大化させるなど、用途に合わせたアレンジが可能です。



3代目Vクラスはサイズ別に3タイプのボディが用意され、ベースとなるのは全長4905mm×全幅1930mm×全高1880mmの標準ボディ。その幅と高さはそのままに、全長を245mm延長したのが「ロングボディ」で、同じく475mm延長した「エクストラロングボディ」です。いずれも左右のリアドアはスライド式です。
当初用意されたパワーユニットは、最高出力163ps/最大トルク380N・mの2.2L直4ディーゼルターボのみで、トランスミッションは7速AT。駆動方式は全車FRです。
そして2018年11月に最高出力211ps/最大トルク350N・mの2L直4ガソリンターボが追加され、2019年10月にはマイナーチェンジを実施。このときエクステリアデザインを変更すると同時に、前席左右だけでなく、後席も独立したエアコン設定が可能になる「後席専用クライメートコントロール」が全車標準装備となりました。

その後は2020年7月と2022年2月にも一部仕様変更を行って運転支援システムやインフォテインメント関係を強化し、2024年10月には二度目のマイナーチェンジを実施。ラジエターグリルを大型化し、より迫力のあるデザインに変更するとともに、インテリアデザインも刷新。そしてパワーユニットを全車共通の2L直4ディーゼルターボ(OM654型)として、さらにはトランスミッションも7速ATから9速ATに進化させるなどの改変が行われています。
中古車状況:平均価格ダウンと同時に流通量も増加して狙いやすい展開に
その時々で上下に振れてはいるものの、2023年から2024年にかけては「おおむね横ばい」と見ることもできた現行型メルセデス・ベンツ Vクラスの中古車平均価格ですが、2025年1月に入ると急落。結果として執筆時点(2025年3月27日)の平均価格は、1年前と比べると110万円以上安い「592.9万円」になっています。

前述した592.9万円というのはあくまでも平均価格ですので、実際の市場には総額200万円台後半で狙える物件も多数登場しています。また全体としての流通量も順調に増加していますので、今、現行型Vクラスの中古車は「非常に選びやすい状況にある」と言っていいでしょう。
それでは次章以降、具体的なオススメグレードを見てまいります!

中古車のオススメ①|価格重視ならV220 dまたはV220 d アバンギャルド ロング
価格重視で、つまり「なるべく手頃な予算で、なるべくいいモノを買いたい」と考えた場合、狙い目となるのは総額280万~350万円付近の「V220 d」または「V220 d アバンギャルド ロング」です。それ以外のグレードは前期型であってもけっこう高額になるか、もしくは「流通量がきわめて少ない」という状況になってしまうのですが、この2つのグレードであれば現実的な予算感で、まずまず悪くないコンディションの1台を見つけることができます。


「V220 d」と「V220 d アバンギャルド ロング」の違いは、ボディサイズ(全長)と装備内容です。
まずボディサイズについていうと、V220 dは標準ボディであるため全長4905mmですが、V220 d アバンギャルド ロングは245mm長い5150mmになります。また装備内容も、主には以下の点が異なっています。
・ホイール径はV220 dが17インチで、V220 d アバンギャルド ロングは18インチ
・V220 d アバンギャルド ロングは前後バンパートリムに「アバンギャルドライン」を採用
・V220 d アバンギャルド ロングは本革シート(V220 dの場合、標準はファブリックで、本革はパッケージオプション)
・インテリアトリムはV220 dはピアノラッカー調で、V220 d アバンギャルド ロングはブラウンウッド調
・V220 d アバンギャルド ロングは前席カップホルダーとセンターコンソールアンダーボックス付き
・V220 d アバンギャルド ロングはBurmesterサラウンドサウンドシステム+15スピーカー
以上のとおりV220 d アバンギャルド ロングの方が装備は充実していますが、基本的な部分に関してはV220 dも普通に充実しています。そしてボディサイズ(全長)も「長ければ長いほどいい」というものでもないでしょう。全長5m以内に収まるV220 dの方が好都合である人もいるはずです。
そのためここは自身の使い方や車庫環境などをベースに、冷静かつ柔軟に検討し、そしてもちろん中古車としてのコンディションも十分に吟味しながら、いずれか「自分のライフスタイルに合う方」を選ぶというのが正解になります。
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メルセデス・ベンツ Vクラス(現行型) × V220 d × 全国▼検索条件
メルセデス・ベンツ Vクラス(現行型) × V220 d アバンギャルド ロング× 全国中古車のオススメ②|スポーティ志向ならV220 d スポーツまたはV220 d スポーツ ロング
もう少し予算をプラスしてもOKなら、具体的には総額350万~500万円付近の予算を想定できるのであれば、「V220 d スポーツ」または「V220 d スポーツ ロング」も狙い目となります。


「スポーツ」と名が付くV220 dは、V220 d アバンギャルドまたは同ロングをベースに「AMGライン」の内外装パーツを装着したグレード。具体的には、エクステリアにはフロントスポイラーとリアバンパー、リアルーフスポイラーリップで構成される「AMGデザインエクステリア」と、19インチのAMG7ツインスポークアルミホイールを採用。そしてインテリアにはカーボン調インテリアトリムと、ラバースタッド付きのステンレスアクセルペダルが備わるというのが特徴です。
またV220 dスポーツ ロングの方はその他の装備も充実しており、挟み込み防止機能付きパノラミックスライディングルーフや本革シート、運転支援システムである「レーダーセーフティパッケージ」も標準採用されています。

この2グレードの流通台数と中古車価格の目安は下記のとおりです(2025年3月26日時点)。
●V220 d スポーツ|9台|総額340万~430万円
●V220 d スポーツ ロング|27台|総額340万~500万円
若干高めにはなってしまいますが、ロングの方が探しやすい状況ではあります。また前述のとおりロングの方が装備もより充実していますので、もしも5150mmに達する全長が問題にならないのであれば、オススメはV220 d スポーツ ロングです。
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メルセデス・ベンツ Vクラス(現行型) × V220 d スポーツ × 全国▼検索条件
メルセデス・ベンツ Vクラス(現行型) × V220 d スポーツ ロング × 全国中古車のオススメ③|アウトドア派なら「マルコポーロホライゾン」で
せっかく現行型メルセデス・ベンツ Vクラスを狙うのですから、2018年2月に登場した「マルコポーロホライゾン」を検討の俎上に載せない手はありません。

現行型メルセデス・ベンツ VクラスのV220 d マルコポーロホライゾンは、就寝スペースとして使えるポップアップルーフやフルフラット機能付きのベンチシート、そして前席の回転機構なども備えた、アウトドアユースでの利便性を高めたグレード。専用装備となるポップアップルーフには、2人まで使用可能なベッドに加えて、リーディングライトも備わっています。
3列目シートにはフルフラット機構が採用されており、このスペースには最大3人での就寝可能。さらにシート下には収納スペースも確保されています。加えて運転席と助手席は後方に向きを変え、2列目シートと対面させることもできるというゴキゲンな仕様なのです。
この他にも、アダプティブクルーズコントロール機能である「ディストロニックプラス」や、車線逸脱警告機能「レーンキーピングアシスト」などからなる運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」や、走行中の横風に対して車両片側のブレーキを制御することで運転をサポートする「クロスウインドアシスト」なども標準装備です。

そんなV220 d マルコポーロホライゾンは装備が充実しているがゆえに安価ではなく、具体的には総額600万~800万円が目安となり、流通量も全国で11台程度(2025年3月26日時点)と、決して探しやすい状況ではありません。
しかしV220 d マルコポーロホライゾンをどこかの美しい森の中へ連れて行き、そこにてポップアップルーフを展開し、木々のざわめきや鳥たちの声を聴きながらうたた寝する――なんて使い方を妄想すると、「是が非でも欲しいかも!」と思ってしまうのがこのグレードです。
もちろん万人向けのグレードではありませんが、もしもピンときたならば、ぜひV220 d マルコポーロホライゾンもチェックしてみてください!
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メルセデス・ベンツ Vクラス(現行型) × マルコポーロホライゾン × 全国※記事内の情報は2025年3月27日時点のものです。

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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