日産 フェアレディZ(Z34型)の中古車価格が1年で30万円ダウン!人気の国産スポーツカー、今オススメの買い方・選び方は?
2024/04/03
日産 フェアレディZ(Z34型)の中古車相場が下落。今が狙い目だ!
50年以上の歴史を誇るFRスポーツカー、フェアレディZ。先代Z34型は「Z-ness(Zらしさ)」「Newness(新しさ)」をコンセプトに掲げて開発された。デビュー時に日産が世界トップレベルとうたうほどの運動性能を備え、今でも十分以上な実力を誇っている。
そんなZ34型の中古車が現在、狙い目となっている。カーセンサーに掲載される中古車の車両平均価格を見ると、2023年3月は273.9万円だったが、2024年3月24日現在は242.4万円。30万円以上も下落しているのだ。
スポーツカーをオトクに手に入れたい人はもちろん、現行型フェアレディZ(RZ34型)の購入を検討している人にも先代はオススメの1台。現行型は新車では先の見えない納車待ちであり、中古車ではプレミア価格となっている。「自動車史に名を刻むZをリーズナブルに楽しみたい」という人には、6代目は格好の的と言えるだろう。
ここまで話を聞いて少しでも興味を抱いたなら、先代フェアレディZ(Z34型)に要注目! 当記事では同車の魅力と中古車事情、そしてオススメの選び方を紹介するのでぜひ参考にして欲しい。
モデル概要:性能より「気持ちよさ」。Zらしい走りを堪能できる
フェアレディZの魅力はドライブフィールの良さにある。とりわけZ33型以降は「誰もがスポーツドライビングを満喫できること」を強調し、Z34型では走りの気持ちよさ=人と車の一体感と定義。「走る、曲がる、止まる」という“車の基本”にこだわって開発された。
その象徴となるのが、車の要となるプラットフォーム。ショートホイールベースとワイドトレッドを徹底しながらボディ剛性も強化。高い走行安定性と正確なコーナリングを兼ね備えている。Z34型のプラットフォームは、現行型であるRZ34型に流用されていることからも素地の良さがわかるだろう。
もちろん、骨格だけでなく「心臓」 も優れている。搭載するパワーユニットは最高出力336ps、最大トルク365N・m(NISMO系を除く)の3.7Lエンジン。現行型はターボとなったため、自然吸気ならではの吹き上がりと好レスポンスは先代Z34型を選ぶ利点だ。
トランスミッションは、7ATと6MTの2種類。ATに備わるマニュアルモードは、MT並みのダイレクト感と変速レスポンスを実現。MTにはシフト操作に応じてエンジンの回転数を制御するシンクロレブコントロールが付き、スピーディなシフトダウンが可能だ。
足回りも見事で、サスペンションはしなやか。ハンドリングも良好だ。アルミキャリパー対向ピストンブレーキを採用し、市街地での扱いやすさとワインディングでの安定性を両立している。
なお、Z34型は10年以上も生産されていただけあって幾度か手が加えられている。中でも注目したい改良は、走行性能に関する以下の3つ。中古車選びの際にも役立つので知っておくと良いだろう。
内外装のデザインを変更。エクステリアではフロントバンパーとアルミホイールがよりスポーティになった。一部グレードではレスポンスと安定性を高めた「ユーロチューンドサスペンション」を採用し、ブレーキの性能も向上している。
リアサスペンションが改良され、低速域での乗り心地が向上。加えて、ステアリング制御などが見直された。取り回しが良くなり、ハンドリングも軽快になっている。さらに、防音材の改良などによって静粛性も高められた。
エクステリアでは前後ライトの輪郭をブラックで強調。より精悍なルックスとなった。MTのクラッチも高効率。ペダルが軽く、半クラッチの操作性も向上した。さらに遮音性の高いフロントガラスに変更され、静粛性も高められている。
価格状況&考察:供給が需要を上回って中古車相場が下落か
さて、先代フェアレディZ(Z34型)の中古車相場を解説していこう。まずは下記のグラフを見てもらえば、その動きがわかりやすい。
2023年3月には273.9万円だったが、同年6月には252万円まで急落。このタイミングから中古車の流通数が増加傾向になっているので、供給量が需要を超え始めたと推測できる。
それ以降は250万円台付近を上下しながら価格を維持していたが、2024年3月には240万円台に突入。平均走行距離が6万kmを超えたことに加えて、先代Z34型の需要が一巡したことがさらなる下落の要因だろう。
実際、同年2~3月でカーセンサー掲載台数が約435台から約300台に減少。オトク感に目をつけた多くの中古車ユーザーが「買い」に走ったのだろう。
これによって需要が落ち着いたと仮定すると、さらに中古車価格が下落する可能性がある。しかし、現行型の流通状況は当分改善されないし、今後は先代の供給量も少なくなるかもしれない。そうなると相場が安定することも十分に考えられる。
であるならば、いまだに古さを感じさせずお手頃価格で購入できる現在は、大きなチャンスと言えるはずだ。
選び方1:コスパ重視なら「バージョンST」
まず、特別仕様車を除いた先代フェアレディZ(Z34型)のグレード構成を説明しておこう。
ベースグレード:エントリーモデル。MTとATを設定
バージョンS:中間グレード。MTのみの設定
バージョンT:中間グレード。ATのみの設定
バージョンST:上級グレード。MTとATを設定
バージョン ニスモ&NISMO:スポーツグレード。MTとATを設定
中古車においては、グレードによる価格差はあまり見られない。そのため、コスパが高いのは装備が充実したバージョンSTとなる。
同グレードは、バージョンSとバージョンTで追加される装備をすべて付けた豪華仕様だ。シート表皮は本革とスエード調ファブリックのコンビで、8スピーカーのBOSEサウンドシステムなどを装備。アクティブ・サウンド・コントロールとアクティブ・ノイズ・コントロールも備え、快適性も高くなっている。
気になるバージョンSTの価格帯は総額98万~798万円で、ボリュームゾーンは総額200万~260万円。ただ、2008年12月~2012年6月の前期型なら、総額200万円以下でも購入圏内で、走行距離5万km以下の物件も見つけられた。カーセンサー掲載台数が約100台。全体の1/3を占め、比較的選びやすいのもうれしいところだ。
先代Z34型はマイナーチェンジによるパワートレインの刷新はなく、モデルライフを通じて先進安全装備が採用されていない。一方で、走りの楽しさを前期後期を問わないので、リーズナブルな低年式を積極的に狙うのもアリだ。
選び方2:MT車なら「バージョンS」
先代フェアレディZ(Z34型)のMT車でオススメなのは、バージョンSだ。ベースグレードに19インチアルミホイールやアルミキャリパー対向ピストンブレーキなどを装着。マイナーチェンジで追加されたユーロチューンドサスペンションも採用されている。
バージョンSTのMT車と比べると装備が少ないが、その分20kgほど車重が軽いのがアドバンテージとなっている。
中古車の価格帯は総額159万~439万円。ボリュームゾーンは総額200万~270万円だ。やはり前期型がリーズナブルで、総額190万円前後で走行距離5万km以下の物件が購入圏内となる。
掲載台数は約50台と、MT車の中で最多グレードなのもオススメする理由のひとつ。社外品でカスタマイズされた物件も散見されるので、自分のニーズに合っているか見極めることが大切だ。
選び方3:スポーツ走行を追求するなら「NISMO」系2グレード
よりスポーティな走りを望むなら、NISMO系が最良だ。Z34型にはNISMOの名を関するグレードは2つある。その違いはシンプル。両グレードは生産期間が異なるのだ。
2009年6月~2013年5月は「バージョン ニスモ」と表記されているが、それ以降「NISMO」と改称しチューニングも基本的に引き継がれた。ただ、2014年7月にNISMOグレードが見直されデザインが変更。空力性能がより高められ、その後のベース車の改良も合わせると、走行面ではNISMOがバージョン ニスモを一歩リードしている。
ただ、両グレード間にはエンジン出力向上に差はないし、バージョン ニスモが性能で大きく劣るわけではない。一方で価格差は相応にあるので、予算に合わせて選ぶのがベターだろう。
バージョン ニスモは専用のフロントバンパーやエグゾーストシステム、サスペンションやパフォーマンスダンパーなどを装備。内装では専用の本革・スエード調ファブリックコンビシートやコンビメーターなどが採用されている。エンジンもチューニングによって最高出力355ps、最大トルク374N・mまで高められているのもポイントだ。
中古車の価格帯は総額170.1万~750万円。ただ、ボリュームゾーンは総額170万~290万円で、ベース車と大きく変わらない。掲載台数は約25台で、7割以上がAT車。MTの低走行車なので、気になる物件を見つけたら早めに行動が吉だ。
対するNISMOは、バージョン ニスモから主に内外装が変更された。外装では新デザインのアルミ鍛造ホイールや、ブラック加飾のヘッドライトインナーなどを装備。内装ではブラックアウト加飾を施し、専用のレカロ製スポーツシートなどが備えられている。
中古車の価格帯は総額319万~741.5万円で、ボリュームゾーンは総額550万~720万円。物件の価格差が大きいため、500万円以下でも走行距離3万kmの物件を見つけられる。掲載台数は約30台で、6割弱がMT車。装備が豊富な物件が多いので、好みに合えば前向きに検討してみると良いだろう。
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