アウディ A5 【ニューモデル】
2008/03/04
■デザイン、走り、その存在自体が真のグランツーリスモと呼べる出来
◆コンセプト
11年ぶりに市場へ投入する流麗なボディをもつクーペ
アウディにとっては久方ぶりとなる欧州Dセグメントクラスの2ドアクーペである。ライバルはもちろん、BMW3シリーズクーペやM・ベンツCLKクラス。スカイラインクーペあたりも同格である。このA5は、遅れて登場する新型A4のクーペ版。新プラットフォーム採用の恩恵で、“FFクーペ”にはあるまじきクーペスタイルを実現できたことが最大の特徴だ。
新プラットフォームでは、ドライブシャフトをクランクケース下まで約100mm前進させ、前軸位置をほぼエンジン重心にもってくることに成功した(昔のホンダアコードインスパイア風)。故にフロントオーバーハングが抑えられ、サイドシルエットと前後タイヤの位置関係がまるでFRクーペのようにまとまったというわけである。
◆室内&荷室空間
所有する喜びに十分浸れる高い質感をもつ内外装
デザインだけではない。内外装の見映え質感の仕上げはアウディの得意とするところだが、さらに磨きがかかった。エクステリアでは、パネル合わせなどといった細かな話ではなく、デザインで質感豊かにする工夫がなされている。見るたびに違う表情を見せる凝ったライン構成はクーペを所有する喜びに直結するものだ。インテリアはデザイン、マテリアル、機能などすべてにおいて、決して新しくはないけれども非常に高いレベルでまとめられた。正直、Dセグメントでここまで隙なく仕立てられると、ライバルはおろか上のクラスでも歯が立たない。
着座位置が低くゆったりと座れる点も、ラグジュアリィクーペらしくていい。コンテンポラリーな内外装だけでもA5には価値がある。
◆ドライブフィール
アウディらしさを残しつつ、上質感もプラス
試乗車は3.2LV6FSIエンジン+ティプトロニック付き6速AT+クワトロ(4WD)搭載車。他にV8FSIクワトロを積むS5が存在する。走り出してすぐに感じるのがフラットなライド感覚。凸凹のある路面をさらっとなでるような乗り心地で、小気味よく心地もいい。
街中で感心したのは乗り心地だけでなく、取り回しの良さもだった。あごの出っ張りがそれほどない、という精神的な余裕と、リニアなノーズの動きが相乗して、これまでのアウディにはなかった扱いのやさしさを実現している。
基本的には極めて現代アウディらしい、節々のかっちりしたメリハリの利いた走りを見せるが、上級モデルのようなしなやかさも加わった。もちろん、定評あるV6エンジンは十二分にパワフルである。
◆こんな人にオススメ
上代約700万円ですから贅沢なクーペですね。その贅沢さが高いレベルの満足度に至るという点で、ライバルより勝っていると思います。アウディが好きな人、よりも今何か上質なパーソナルカーが欲しいと思っている人にこそ乗ってほしい。3分の2でスカイラインクーペが狙えますが、予算に余裕があるのであれば一考の価値アリだと思います。いいクーペです。主要諸元のグレード | 3.2FSI クワトロ |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 6AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4625×1855×1375 |
ホイールベース(mm) | 2750 |
車両重量(kg) | 1670 |
乗車定員(人) | 4 |
エンジン種類 | V6DOHC |
総排気量(cc) | 3196 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 195kW(265ps)/6500rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 330N・m(33.7kg-m)/3000~5000rpm |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/63 |
車両本体価格 | 695万円 |
アウディ A5 【ニューモデル】/試乗レポート
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