マイチェンで安心感がアップ。スズキ SX4 S-CROSSは乗れば乗るほど味が出る車である
カテゴリー: スズキの試乗レポート
タグ: スズキ / SUV / SX4クロスオーバー / 松本英雄
2017/11/25
サスペンションの改良で、走りの質が向上
日本では目立たない存在だが、海外では人気のあるスズキのSX4 S-CROSS。2年前にハンガリー工場から逆輸入という形で日本に導入された。
今回のマイナーチェンジではフロントマスクを大幅に変更し、サスペンションなど見えない部分もブラッシュアップしたという。はたして2年前の印象をどこまで引き上げてくれたのか楽しみだ。
エンジンの形式は同様だが、今回からトランスミッションがCVTから6ATに変更された。フロントマスクは、以前に比べるとだいぶ個性が際立ったように思う。異国情緒を漂わせながら存在感をアピールしたようだ。
ドアを開けて乗り込むと、締めたときのドアのシールが均一に当たるようになった。静粛性や剛性も向上しているのでは、と期待が増す。
センタークラスターからインナーサイドパネルの雰囲気も以前よりもカチッとしたようだ。クリアランスも2年前よりよくなっている。
SX4 S-CROSS は2WDと4WDモデルの2つの仕様で、今回は2WDのモデルを試乗する。いつもは山間部を走ることが多いが、今回は東京の市街地を中心に走ってみた。
シートは意外にも、サポートも含めてソフトだ。センタークラスターやメーターパネルは、飽きがこないシンプルなデザインで好感が持てる。エンジンを始動させ、左右独立のオートエアコンを効かせて走り出す。
減速比で稼いだトルクを感じさせないスムーズな発進は力強い。しかも、静粛性は随分と向上した。都内中心部の様々な道路を走っても、大きな音の変化もない。
最も驚いたのはサスペンションだ。2年前に試乗したときには、“リアの剛性が低くボディが共振する”という点が課題だと思った。
しかし、それが見事に改善されているのだ。聞くところによると、トーションビームを作り直して剛性アップに努めたらしい。
個人的にとても嬉しい。その成果は顕著で、車体がしなやかに動くのはもちろん、ボディの振動も低減した。
エンジンからの振動も少ない。首都高速の汐留から横浜方面に行く上り坂での加速も、価格からして1.6LのSUVクラスとしては良い部類に入る。パドルシフト付き6速ATは軽やかにステップアップして心地よい。
タイヤの外径が変更された関係で車高が若干上がったが、操作性には全く問題ない。むしろ見直したサスペンションやダンパーのおかげで、ドライブ中の安心感が増したように思う。雨天時でも安心だろう。
今回、SX4 S-CROSSに乗って思ったのは、大衆に親しまれているスズキは乗れば乗るほど味が出るスルメのような車だということ。際立ちすぎない乗り心地が、ユーザーを安心させるのかもしれない。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:― ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1586cc
■最高出力:86(117)/6000 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:151(15.4)/44000 [N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長x全幅x全高:4300x1785x1595(mm) ■ホイールベース:2600mm
■車両価格:206.28万円(税込)
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