オートモビルカウンシル 2017で考えた。「これはもうヘリテージカーに乗るしかない!」と
カテゴリー: レース&イベント
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2017/08/22
ヘリテージカーは高額車でも妬み・嫉みを受けにくい!
去る8月4日から6日にかけて幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル 2017」に行ってきた。ご承知の方も多いと思うが、このイベントは「CLASSIC MEETS MODERN」をテーマに、日本の自動車マーケットをけん引してきた往年の名車80台超が展示および販売されたものだ。
そして名車80台超をくまなく観察した結果、筆者は「ヘリテージカー(往年の名車)はやはり素晴らしい!」との感慨を抱くにいたった。
なぜそう思ったのか。以下、ご説明しよう。
まず第一に、ヘリテージカーには「嫌味」がない。
新車の高級・高額車というのは、その車やオーナーの実態および思想のいかんに関わらず、どうしても「ケッ、成金めが!」みたいな否定的反応を呼びやすい。仮にあなたが決して棚ぼた式に楽してカネを儲けたわけでもなく、「単なるブランド物」として車をとらえているわけではない真摯な車好きだったとしても、だ。
しかし、例えば新車のポルシェ 911と実はさほど値段が変わらない、下手すりゃそれ以上に高額な70年代のナローポルシェやその後の空冷911からは、成金臭ではなく「好きでコレ乗ってます臭」が濃厚に発散される。そのため、「ケッ!」的な反応を非常に呼びにくいのだ。要するに「嫌味な感じ」がほとんど漂わないのである。
また同時に、ヘリテージカーというのは一般的に「今見るとカワイイ感じのデザイン」である場合が多い。最近の高級・高額車はやたらといかつい、まるで周囲を威嚇するかのようなデザインのものが多いゆえ、その面でも、ヘリテージカーは「嫌味のなさ」を十二分に発揮するだろう。
ヘリテージカーはたとえ安価なものでもサマになる!
前章で述べた「嫌味のなさ」という美点は主に車両価格1000万円超のヘリテージカーを念頭に置いたもので、それを買うだろうユーザーも年収4000万円以上の層を想定している。
しかし世の中はそういった高額所得者だけで成り立っているわけではなく、かく言う筆者も自慢じゃないが年収4000万円には遠く及ばない。
となると「ヘリテージカー趣味っつーのは限られた富裕層のためだけのものなのか?」という疑問が湧いてくるわけだが、もちろんそんなことはない。なぜならば、ヘリテージカーの第2の美点として「比較的安価な車でもサマになる」というのがあるからだ。
オートモビルカウンシル 2017では1000万円超級のヘリテージカーや、参考出品ゆえ価格は不明だが「……1億円は下らないのでは?」と思われる車両が何台も出展されていた。
しかし同時に、せいぜい100万円台から400万円台ぐらいのヘリテージカーも多数展示されていたのだ。そしてそれらは「車としてごく一般的」と言えるプライスにも関わらず、ごく一般的な車では絶対に醸し出せないオーラというか「サマになる感じ」を、強烈に放っていた。
例えば神奈川県のスピニングガレージが出展していた93年式フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオ クラシックライン。走行1万km台の雨天未使用車ということで車両価格299万8000円と、一般的な同型中古車と比べるならずいぶん高いプライスタグが付いていた(ちなみに一般的なコンディションのクラシックラインは120万~130万円ぐらいであることが多い)。
しかし、よく考えてみれば「たかが299万8000円」なのだ。
……約300万円で、果たしてどんな素晴らしい新車が買えるというのか? まぁミニバンのことを悪く言うわけでは決してないが、例えばよくある2Lクラスの国産ミニバン程度である。
300万円級のヘリテージカーと新車の国産ミニバン。そのどちらが優れているかは、各自の人生観や使用目的にもよるので筆者は言及しない。しかし「存在感」「サマになる感じ」に関してのみ言うならば、93年式クラシックラインすなわちヘリテージカーの圧勝となることは論を待つまい。
2017年の今だからこそ、この「アナログ感」が魅力的に思える
「超高額物件であっても嫌味な感じがほとんどしない」というヘリテージカーの第1の美点と、「安価な物件であってもサマになる」という第2の美点。それに加えて、
●肥大化した最近の車と違って小ぶりなサイズなので、混雑した街中での機動力が高い
●電子制御のデの字もない車が大半なので「自分で操ってる感」がすごい
●シンプルな構造である場合が多いため、人によっては「自分で整備する楽しみ」がある
●今見るとデザインが逆に新鮮
●青春時代の甘酸っぱい記憶がよみがえる
等々の美点もあるだろう。そして当然ながら美点があれば欠点もあるわけで、それは、
■今の車と比べると安全装備はプア
■経過年数ゆえ、故障することもままある
■燃費はあまりよろしくない
■車種によっては冷房設備がない
などだろうか。
これら諸々を天秤にかけたうえでどう判断するかは、人それぞれだろう。しかしながら今だからこそ、つまり車に限らず何事も自動化が進み、俗に言う「温かみ」のようなものが世間において大幅に減少し、そして内燃機関付きの車に果たしていつまで乗れるのかわかったものではない時代だからこそ、それらすべてを含有しているヘリテージカーの日常生活への導入を、筆者は真剣に考えてみたいと思っている。
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