▲ハッカペリッタTRIは農耕用スパイクタイヤ。トラクションをシッカリ生み出してトラクターの最高速を樹立。これにはドライバーのカンクネン氏も満足した様子です ▲ハッカペリッタTRIは農耕用スパイクタイヤ。トラクションをシッカリ生み出してトラクターの最高速を樹立。これにはドライバーのカンクネン氏も満足した様子です

最速のトラクターが氷上を爆走、時速130kmの世界記録樹立

どういうわけか、トラクターが気になって仕方ない今日この頃。氷上なのに熱いトピックスをお知らせします。フィンランド企業であるノキアンタイヤとトラクターメーカーのヴァルトラがコラボして、トラクターの最高速樹立に挑みました。しかもハンドルを握るのは、世界ラリー選手権で優勝経験のあるユハ・カンクネン氏!

トラクターは「ヴァルトラ T234」。これにウインタータイヤの「ハッカペリッタTRI」(フロント28インチ、リア38インチ!)を履かせて雪道を爆走。トップスピードは前人未到の130.165km/h(80.88mph)をマーク。見事に世界記録を樹立してみせたのです。カンクネン氏いわく……。

「これまでいろんな車のトップスピードをテストしてきたけど、トラクターというのは初めてだね。にしてもアッという間に世界記録を達成したよ! タイヤとトラクターが本当によくやってくれた、天気が良くなかったにも関わらずね」

今後、トラクターの最高速に意義を感じるメーカーが現れない限り、この記録が破られることはないでしょう。アツすぎる!

あぜ道のランウェイ、農作業着がもう格好良すぎる件

閑話休題。トラクターだけではなくトラクター周辺も熱いのです。ご覧ください、ヤンマーが世界に向けて発信する「ヤンマー・プレミアム・アグリカルチュラル・ウエア」を!

これはプレミアムブランドプロジェクトの一環としてリリースされたものですが、プロデュースしたのはクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏。そしてファッションデザイナーは滝沢直己氏。豪華な布陣だけあって、農園で汚すのは気が引けてしまいそう。いや、これを泥まみれにしてこそ格好いい。新しい「農」のスタイルを提案しているのです。

▲野外フェスにも着ていけそうな農作業着。胸のヤンマーの新ロゴも佐藤可士和氏がデザインしたもの。オニヤンマの羽とヤンマーのYがモチーフなのだとか ▲野外フェスにも着ていけそうな農作業着。胸のヤンマーの新ロゴも佐藤可士和氏がデザインしたもの。オニヤンマの羽とヤンマーのYがモチーフなのだとか

フェラーリ、マセラティ、そしてヤンマーのトラクター

話をトラクターに戻しましょう。2013年に発表されて話題を集めた、ヤンマーのコンセプトトラクター「YT01(Y-CONCEPT ADVANCED TRACTOR)」。その量産モデルのYTシリーズの発売予定である2015年5月をついに迎えました。ご覧ください、トラクターらしからぬトンガリぶりを!

▲こちらがヤンマートラクター YTシリーズ。これに乗ってトコトコと畑を耕したくなります。そんな「農」への興味アップ、イメージアップこそが狙いなので、まんまと狙いにハマった感があります ▲こちらがヤンマートラクター YTシリーズ。これに乗ってトコトコと畑を耕したくなります。そんな「農」への興味アップ、イメージアップこそが狙いなので、まんまと狙いにハマった感があります

ただならぬ存在感には理由があります。YTシリーズを企画・デザインしたのは、世界に誇る日本の工業デザイナー奥山清行氏。ピニンファリーナにおいて、フェラーリやマセラティなどのデザインを手がけたことは有名な話。その奥山氏が農業の新しいスタイルをリデザインするとして手がけたYTシリーズはスタイリッシュなだけでなく、エアコンの吹き出し口が大きく、ドリンクホルダーを装備し、ブラインドタッチでも操作できるようインターフェイスも入念にデザインしているというのです。

そして常識を覆すのはデザインや設計だけではありません。スマートアシストなるサポートアシストが用意されており、GPSと通信端末を搭載することで、トラクターになんらかの不具合が生じると、自動的にヤンマーの担当者に通知する仕組みになっています。まるで最新のプレミアムカーのようなサービス。次々と常識を塗り替えるトラクターの世界。農業から時代をけん引している感がアリです。

▲こちらはYTシリーズのもとになったコンセプトモデルのデザインスケッチ。まるでアニメに登場する架空のマシンを思わせます ▲こちらはYTシリーズのもとになったコンセプトモデルのデザインスケッチ。まるでアニメに登場する架空のマシンを思わせます
text/ブンタ Photo/ノキアンタイヤ、ヤンマー