世界にたった1台のベントレー Rタイプ。テリー伊藤なら「ヒョウ柄」に!?
カテゴリー: クルマ
タグ: ベントレー / EDGEが効いている / テリー伊藤 / 高橋満
2018/01/05
目指したいのは“イギリス王室”じゃない
今回は、「シーザートレーディング」で出合ったベントレー Rタイプについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。
~語り:テリー伊藤~
かつて、ビンテージのロールスロイスやベントレーを手に入れようと思ったら、みんなイギリスまで買いに行きました。でも現在は多くの人がシーザートレーディングのような専門店を訪れます。
なぜなら日本は世界でも群を抜いて車が安いから。僕らはとても恵まれた環境にいるのです。
僕が今回注目したのは、ショップの最も目立つところに飾られていたベントレーのRタイプです。
この車は、コーチビルダーが手掛けた世界に1台しかないモデルで、もともとは薄いグリーンと濃いグリーンの2トーンだったものをエンジ色に塗り替えているそうです。
実はオリジナルの色にすることも検討されたのですが、コーチビルドモデルゆえ、資料が残っていない。見つかったのはモノクロ写真が1枚だけ。だからオリジナルがどんな色か誰もわからなかったといいます。
そんなところからも車が持つドラマを感じますね。最高です。
多くの人は、ロールスロイスやベントレーと聞くと、イギリスの王室や貴族など高貴なイメージを抱くでしょう。もちろんそれは正しいし、王道のイメージです。
でも僕はその真逆であるジョン・レノンが乗っていたサイケデリックなロールスロイス ファントムに強烈な憧れがあるんです。
自宅にはそのミニカーもあります。気になる人は検索してみてください。ロールスロイスやベントレーに対するイメージが変わるかもしれませんよ。
1980年代、遊び人の間でトラディショナルをドレスダウンすることが流行しました。
例えばタキシードやえんび服を気崩してみたり。現代ならスーツにスニーカーやリュックを合わせて自転車に乗るのと感覚が近いですね。
僕が手に入れたロールスロイス シルバーシャドウは、インテリアの内張りをヒョウ柄にして、MOONのホイールを履かせました。完全なヘビメタ仕様です。かっこよかったなあ。
ただ、MOONのホイールは強引に履かせたので、原宿の交差点でホイールキャップが落ちてコロコロと転がっていっちゃってね(笑)。大慌てで取りにいったりしたのを覚えています。青春の思い出です。
テリー伊藤なら、こう乗る!
レトロな外観なのに、中にはCDやMP3を使うジュークボックスがあるように、僕なら外観とインテリアはこのままに、エンジンやミッション、電気系を最新のものに交換して乗りたい。
例えば1950年代や60年代のキャデラックなどは、パレードカー的な雰囲気があって、特別な日に乗るのがかっこよかったりします。でもこのベントレーからはパレードカーというイメージを感じない。
だからこそ日常で乗ることが粋だと思うんです。
やっぱり僕レベルだと、例えばワイパーが壊れただけでお手上げになりますし、ブレーキなども現代のよく利くものをつけた方が安心できますからね。
もちろん、そんなことをしたら車としての価値は一気になくなりますし、正統派のファンからはおしかりを受けるでしょう。
でもこんな素敵な車だからこそ、毎日気楽な気持ちで乗りたいじゃないですか。色も白黒の2トーンや黒とエンジの2トーンにしちゃうと思います。
2ドアクーペはいつの時代も特別な存在。とくにイギリスのクーペには伊達な雰囲気が漂います。こういう車を毎日さらっと乗りこなせたら遊び人ぽくてかっこいいですよね。
最後はこの高貴な車をどこまでドレスダウンして楽しめるかに挑戦したいですね。
まずはルーフの内張りをヒョウ柄に張り替えて、大人の女性がたくさんいるパーティに行ってみたい。
男はどうでもいいです! この車で素敵な女性をエスコートする。男にとってこれ以上の憧れはないでしょう。
ベントレー Rタイプ
ロールスロイスのオーナーカーという位置づけのモデルを数多く製造していたベントレー。Rタイプは1953年から1955年という短い期間だけ製造されたサルーン。全長5120㎜×全幅1810㎜×全高1630㎜に、サイレントスポーツカーと呼ばれた4560㏄直6エンジンを搭載。この個体はベントレーのコーチビルダーとして名高いジェームス・ヤングが手掛けたもの。
■ テリー伊藤(演出家)
1949年12月27日生まれ。東京都中央区築地出身。これまで数々のテレビ番組やCMの演出を手掛ける。現在『ビビット』(TBS系/毎週木曜金曜8:00~)、『サンデー・ジャポン』(TBS系/毎週日曜9:54~)に出演中。単行本『オレとテレビと片腕少女』(角川書店)が発売中。現在は多忙な仕事の合間に慶應義塾大学院で人間心理を学んでいる。
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