日産 ラティオ ▲現時点では日産最後の5ナンバーサイズセダンのティーダラティオ/ラティオ

日産 ティーダラティオ/ラティオの中古車は今

2004年9月に登場した5ナンバーハッチバック車のティーダのセダン版として、同年10月に登場したティーダラティオ。

名前こそ異なるが、2004年春に終売したサニーの実質的な後継車種となる。

サニーと同じく5ナンバーサイズを維持しているが、上質な室内の仕立てやたっぷりとしたシートなど、セダンとしての基本性能を大きく向上させたモデルだ。

2012年10月にはフルモデルチェンジを実施。車名からティーダが外れ、ラティオとなった。

このラティオは、日本国内における小型セダン需要の縮小の影響もあり、2016年冬に販売を終了。

その後は現在に至るまで、日産の5ナンバーセダンは販売されていない。他メーカーでも同サイズのモデルは非常に少ないため、中古車で狙うことができる貴重な選択肢となっている。

ディーダラティオ、ラティオともに、総額50万円から狙うことが可能だ。

ここからはティーダラティオ/ラティオの特徴や中古車相場について紹介する。
 

▼検索条件

日産 ティーダラティオ/ラティオ× 全国
 

ティーダラティオの特徴と中古車相場

■ティーダラティオ DATA
生産期間:2004年10月~2012年10月
中古車流通量:約60台
中古車価格帯:10万~60万円
全長:4205~4250mm × 全幅:1695mm × 全高:1535~1540mm
 

日産 ティーダラティオ ▲過度な加飾などはないが、上質さを感じさせる佇まいのティーダラティオ(後期型)


■ティーダラティオの特徴
オーソドックスな3ボックスセダンでありながら、広い室内空間としっかりしたシートが人気のティーダラティオ。

グレードの構成は新車時価格の高い順に下記のとおり。

「15G」>「15M」>「15S」>「15B」

上級グレードの「15G」には、本革巻きステアリングや本革とアルカンターラのコンビシートなど、上級車種にも匹敵する装備が備わっている。


日産 ティーダラティオ ▲1クラス上の車種を思わせるたっぷりしたフロントシートなど、上質な内装が魅力

エントリーグレードの「15S」は、ミッションがCVTではなく4速ATになるのが大きな違い。CVTのフィーリングが苦手という人は、あえて「15S」を狙うのも選択肢のひとつだろう。

「15B」はビジネスグレードとなっており、装備が大幅に縮小される他、ドアハンドルも無塗装となるなどコストダウンが目立つ。中古車市場では他グレードとの価格差がほぼなくなっているので、「15S」以上のグレードから選ぶのがオススメだ。

2005年1月には1.8Lモデルを追加。上級仕様の「18G」のみのラインナップで、2008年1月のマイナーチェンジでは6速MT仕様も追加された。

ただ、このMT仕様はMT車しか乗れないという主に年輩のユーザーをターゲットとしたもの。スポーティさを追求したものではないことは留意しておこう。

その他の仕様としては、オーテックジャパンが手がける「アクシス」というグレードがある。

これは、「15M」と「18G」がベースとなった特別仕様車で、専用のメッキ加飾や本革シートが奢られた大人のカスタマイズモデルとなっているのが特徴だ。

日産 ティーダラティオ ▲大人のカスタマイズカーといった趣のオーテックジャパンが手がけた「アクシス」

■ティーダラティオの中古車相場
ハッチバック車のティーダが300台ほどの物件数となっているのに対し、ティーダラティオの流通台数がわずか60台ほどにとどまっている。

選択肢は少ないものの価格はリーズナブルで、総額30万円台で狙える物件もある。この中に後期型の6万km以下という上質車も。タイミングが良ければ、最安値帯でも高年式車や低走行車を見つけることができるだろう。

総額50万円ほどの予算を見ておけば、かなり選び放題といった状況となっている。

総額60万~80万円の高価格帯は1.8LのMT車で占められている。このクラスのMT車が希少なことが、価格を下支えしているのだろう。

1.8LモデルのCVT車と、オーテックジャパンが手がけた「アクシス」は、執筆時点で掲載台数が1台もなかった。これらを狙うのであれば根気強く探す覚悟が必要そうだ。

▼検索条件

日産 ティーダラティオ × 全国
 

ラティオの特徴と中古車相場

■ラティオ DATA
生産期間:2012年10月~2016年12月
中古車流通量:約50台
中古車価格帯:30万~80万円
全長:4455mm × 全幅:1695mm × 全高:1495mm
 

日産 ティーダラティオ ▲マーチ系のプラットフォームとなり、タイからの輸入車という形になったラティオ

■ラティオの特徴
2012年10月にティーダラティオの後を受けて登場したラティオ。

ボディサイズこそ大きく変わらなかったが、ベースが4代目マーチとなったことで、ティーダラティオよりも小さな1.2Lエンジンを搭載するモデルとなった。

また、全車前輪駆動となり、4WD車やMTモデルもラインナップされなかった。

グレード構成は、新車時価格の高い順に下記のとおりとなっている。

「1.2 G」>「1.2 X」>「1.2 S」>「1.2 B」

ティーダラティオ同じ構成となっているが、上級グレードでも本革シートや本革巻きステアリングも備わらず、アルミホイールも用意されない。そのため、グレード間の差は小さくなったと言えるだろう。

2014年10月にはマイナーチェンジが実施されたが、外装を中心としたお色直しがメインで、基本性能に関わる部分に大きな変更はなく、2016年末には販売が終了している。

日産 ティーダラティオ ▲後期型となり、より個性的なルックスとなったラティオ

■ラティオの中古車相場
小型セダン市場の縮小のあおりを受けた形となったラティオ。そのため、2016年末まで販売されていたにも関わらず、中古車流通台数はわずか50台程度となっている。

さすがに年式が新しいため極端に安価な物件は多くないが、それでも総額40万円台で走行距離3万km台の物件も見つけることができるという状態。

手ごろな価格で高年式のコンパクトセダンが欲しいと考える人にとっては、悪くない選択肢と言えるだろう。

70万円まで予算をアップすれば、走行距離1万km台の物件も狙うことができる。

また、より安心感が欲しいという人には、ディーラー系中古車店で販売されている物件を選ぶという選択肢がオススメ。総額はやや高くなるが、手厚い保証が備わっているため、いざというときの安心感が高い。

▼検索条件

日産 ラティオ × 全国

※記事内の情報は2021年9月5日時点のものです。

文/小鮒康一 写真/日産
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。