▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は購入した車を乗り続ける期間について▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は購入した車を乗り続ける期間について

5人に1人は10年以上同じ車に乗っている

世の中には様々な考え方、価値観があるので一概には言えないが、すぐ別れることを前提に結婚する人は少ないだろう。

それは車に関してもおおむね一致している。

下のグラフ①をご覧いただこう。

リクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』で「故障しにくく、長く乗り続けられる車」に対する興味関心を尋ねたところ、

直近の3年とも75%以上が興味ありと回答している。

※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より ※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

結婚相手に言い換えるなら、健康で誠実で信頼できる人、といったところか。

まあ確かに、不健康でいい加減で嘘つきな人より良さそうだ。

同調査は「直近の購入に対して、前回購入した車の乗車期間」も問うているが、2017年では平均6.2年だった。

同じ車に5年以上乗るのは当たり前で、10年乗り続けることも決してレアではないということだ。

とはいえ、そこには縁や相性というファクターも、多少なりとも関わってくる。

ひと目ぼれからの大恋愛を経て、一生添い遂げるつもりで向かい入れたにも関わらず、フタを開けてみたら相性が悪くてすぐに別れてしまったなんてことは、結婚でも車でもよくある話だ。

結果論として、短いお付き合いで終わることもある。

だが、購入する前から“短いお付き合い”を見越して相手、いや愛車を選ぶ人が若い世代を中心に意外と多いという事実を『中古車購入実態調査』で発見した。

それがグラフ②だ。乗っている車の価値が高いうちに売却して次の車に乗りたいと思っている人は、20歳代では29.3%、30歳代では27.9%もいて、他の世代より多い。

逆に、60歳代では「そう思わない」という反対派が6割近くを占めており、世代間による意識の違いがはっきり出ている。

※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より ※2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

数年後の価値(残価)を意識することは、結婚相手選びではどうか知らないが、車選びでは昔からある考え方で、賢い車の買い方のひとつでもある。

いわゆる「残価設定ローン」は、この考え方をサービス化したものと言える。

また、こうしたサービスを使わず、自らの経験と勘を頼りに売りと買いを見極めて、ロスを最小限に抑えながら短期間に数々の車を乗り替える手だれもいる。

対象が中古車であれば初期投資も抑えられるため、本命に出会うまでたくさんの車に触れるのは、人生経験としても決して悪い話ではないだろう。

いくつか条件はあるが、人気車の旧型で相場が横ばい傾向のモデルの中古車は、低予算で購入でき、かつ大きな損を出さずに売れるケースも多い。

投資のセオリーのひとつが、損を小さく大きな利益を出すという意味の「損小利大」という言葉があるが、短いお付き合い前提の中古車選びでは、「損小多台」が重要なキーワードとなる。

以上を踏まえると、サイズ的にもコスト的にも中古の軽自動車は、まさに「ソロドライブ」にピッタリな選択肢と言えるだろう。

ただし、高い価値を維持するためには、事故を起こさない安全運転はもちろん、車を大切に扱うことも大切。

たとえ終わりは見えていても、手放す瞬間まで“一生添い遂げるつもり”で付き合う誠実さも大事ということだ。

短いお付き合い前提の「損小多台」にオススメな3モデル

1:トヨタ ヴェルファイア(初代)
 

▲2008年5月~2014年12月に生産された大ヒットミニバンの初代。初期投資はかさむが予算200万円程度で狙える低走行車か後期型なら、少ないロスで次に乗り替えられそうだ ▲2008年5月~2014年12月に生産された大ヒットミニバンの初代。初期投資はかさむが予算200万円程度で狙える低走行車か後期型なら、少ないロスで次に乗り替えられそうだ
 

2:スバル インプレッサXV(2代目)
 

▲昨年6月に登場したXVの前身となる2代目(2012年10月~2017年5月生産)インプレッサXV。流通台数が少ないこともあり、相場下落が極端に遅いのが特徴。狙いは自動ブレーキ「アイサイト」付き物件! ▲昨年6月に登場したXVの前身となる2代目(2012年10月~2017年5月生産)インプレッサXV。流通台数が少ないこともあり、相場下落が極端に遅いのが特徴。狙いは自動ブレーキ「アイサイト」付き物件!
 

3:マツダ ロードスター(3代目)
 

▲オープンカーの定番モデル。どの世代もそれぞれ個性が強く、一定数のマニアもいるため相場が下がりにくい。3代目の2005年8月~2015年4月生産で、予算100万円で状態の良いMT車が手に入ればしめたもの! ▲オープンカーの定番モデル。どの世代もそれぞれ個性が強く、一定数のマニアもいるため相場が下がりにくい。3代目は2005年8月~2015年4月生産で、予算100万円で状態の良いMT車が手に入ればしめたもの!
 
text/編集部
photo/off、トヨタ、スバル、マツダ