カセットテープ専門店「waltz」でドライブにオススメのカセットを聞いてきた(中編)
2021/05/16
ネオクラ車ならカセットを聴きながらドライブを楽しめる
カーセンサー6月号(2021年4月20日発売)では、ネオクラ世代といわれる80~90年代の車たちを特集しています。そんなネオクラ車でのドライブをより楽しませてくれるアイテムが、標準ステレオとして装備されていたカセット!
そこで、ドライブにうってつけのカセットを探しに、おそらく日本で唯一の専門店「waltz」に引き続きお邪魔しています。
カセット専門店「waltz」オーナー
角田 太郎
1969年、東京都生まれ。CD/レコードショップ WAVE渋谷店・六本木店でバイヤーを経験後、2001年にアマゾン・ジャパンに入社。音楽、映像事業の立ち上げに参画。その後、書籍事業本部商品購買部長、ヘルス&ビューティー事業部長、新規開発事業部長などを歴任し、2015年3月に同社を退社。同年8月に東京・中目黒にカセットテープやレコードなどを販売するビンテージセレクトショップwaltzをオープン。また、様々な企業や店舗、イベントなどのための選曲を行う他、同ショップは、2017年12月、Gucciがブランドのインスピレーション源になった場所を紹介するプロジェクト「Gucci Places」に日本で初めて選出された。
インタビュアー
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。
ネオクラ世代の「カタチ」
竹井 前回カセットカルチャーと車の関係をお聞きして、ぐっと親しみがわきました。 たぶん25年ぶりくらいでカセットテープを手に取りましたけど、プラスチッキーな質感といい、四角くてレトロなロボットの顔みたいなフェイスといい、なんともいとおしいですね。
竹井 ジャケ買いってまさに音楽を形で選んでますよね。なかなかインターネットを介した音楽配信サービスでは起きにくい消費行動でしょうね。
竹井 車もそうで、どんなにドライブ楽しいよって言っても、かっこいいな、かわいいな、乗ってみたいなってモノがないと心が動かない。
竹井 たしかに車と重なりますね。カクカクしたデザインがかっこいい、かわいいって言って、その時代を直接知らない子たちが難しいこと考えずに、好きだからって軽やかに古い車に乗ってたりもします。 ……でも、中年の私でも、当時こんな立派なラジカセでは聴いたことないです(笑)。
竹井 お金がなくてエアチェックしてた中学生には、とても手が出せない。
竹井 しかもダビングしたものじゃなくて、ちゃんとレーベルからリリースされたミュージックテープなんてものを初めて聞いたものだから、音の良さには驚きました。
竹井 デジタルメディアでは当たり前のスキップやシャッフルができないから、強制的にアルバムを頭からずっと聴くことになるのもおもしろいですね。
竹井 A面・B面っていうのも、若い人たちからしたらまた新鮮でしょうね。
竹井 では、そんな魅力がたっぷりのカセットから、今回は、パートナーとのドライブにオススメのものを選んでいただけますか。
竹井 前回同様、角田さんオススメのカセットに似合いそうなネオクラ車もピックアップしましたので、合わせてお楽しみください。
オススメのカセット <パートナーとのドライブ編>
90's R&Bのバイヴに酔いしれる至福の90分ミックス。BPM(テンポ、1分間の拍数)70前後のスロージャムで構成。滴り落ちるメロウネスに濡れる「夜仕様」のミックスは、深夜のドライヴを徐々に盛り上げる。
とろりと甘く色っぽいR&Bには、バブル全盛期に爆誕したラグジュアリークーペ、トヨタ ソアラを。その当時「女子大生キラー」とも呼ばれたハイソカーは、艶っぽい夜にぴったり。青く光るデジタルメーターやマルチコントロールパネルに彩られ、世界初搭載された電子制御エアサスペンションに揺られたい。ちなみに、搭載する当時最新のCDチェンジャーは12連奏!
ナイジェリア、カナダ、フランスの混血で、UKはサウス・ロンドン出身のシンガーソングライター。「ネオ・ソウルを経由したアコースティック・ポップ」といった質感で、車内に心地よい風が吹く。
伸びやかで心地よい歌声とアコースティックな響きには、森と湖の国からきたステーションワゴンを。クラシカルに四角いフォルムと、素っ気ないようで温かみのある内装なら、着飾らないありのままの自分でパートナーとの時間が過ごせそう。ゆったりやさしい乗り心地のドライブで、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みに行きたい。
ジェラート屋さんが作ったカセットテープ。東京は阿佐ヶ谷の「Gelateria SINCERITA」は国際ジェラート・コンテストで世界3位に選ばれた実力派人気店。オープン10周年を記念して制作。元シャムキャッツのボーカルで、以前アルバイトをしていた夏目知幸氏が監修。そんな豆知識とともに。
ナチュラルな素材がおいしいジェラート屋さんのミックステープに乗せて走らせたいのは、ペーパークラフトのように平面を組み立てただけのデザインが魅力の初代パンダ。友だちっぽいおしゃれなカップルが楽しくショッピングに出かけるのにうってつけだ。小さくてシンプルなイタリア車は、ほんのりジェラートの香りがしそう。
次回、角田さんとのトーク&オススメのカセット紹介はいよいよ後編へ!
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