【乗るならラストチャンス!】走りを極めたFFスポーツ 初代ホンダ シビックタイプR
2016/07/05
赤いホンダのエンブレムがタイプRの証し
2015年10月28日に日本でも発表された4代目シビックタイプR。最高出力228kW(310ps)、最大トルク400N・m(40.8kg-m)を発生する2L直4 VTECターボを搭載するFFスポーツは、ドイツ・ニュルブルクリンクサーキット北コースにおける量産FF車での当時最速タイムとなる7分50秒63を記録。同年3月にジュネーブでワールドプレミアされて以来、発売を待ち望んだファンは多数。日本では750台の限定販売で価格は428万円でしたが注文が殺到し、抽選での販売となったほどでした。
今さら説明するまでもなく、タイプRとはストイックなまでに走りを追求したホンダのスペシャルモデルで、ごく限られた車種にのみ設定されました。タイプRの証しは、チャンピオンシップホワイトのボディ(もちろん他の色もありますが)と、そこに付けられる赤いホンダのエンブレム。
タイプRの名が付けられたマシンはNSX、インテグラ、シビックの3種類(ヨーロッパで発売されたアコードタイプRは、日本ではユーロRの名に)。この中で若者たちを最も熱くさせたのが、シビックタイプRでしょう。
数々のタイプR専用装備で戦闘力をアップ
もともと人気のあったシビックに念願のタイプRが設定されたのは1997年8月。搭載された1.6L直4VTECエンジンはシビックタイプR専用チューニングが施されました。このエンジンは超高回転型で、8200rpmで最高出力185psを発生します。
さらに旋回性能を高めるトルク感応型ヘリカルLSDやサイズアップされたブレーキローター、真っ赤なレカロ製バケットシート、チタン削り出しシフトノブなど、走りを極めるための専用装備が多数奢られたシビックタイプR。なにより当時の走り好きの若者が熱狂したのは、異次元の走りが味わえ、専用装備も奢られるこの車が税抜き200万円を切る価格で発売されたことでしょう。
そのためマニアックな車でありながらも新車は多く販売され、一時は中古車もかなり流通していました。しかしデビューから20年近くたったこと、海外での日本のスポーツカーの盛り上がりで輸出需要が増えたことなどが影響し、現在では60台程度しか流通していません。この状況は今後も続きそうなので、欲しい人は早めに探すことをオススメします。
ちなみに2001年に発売された2代目シビックタイプRはイギリスで製造された逆輸入車で排気量は2Lになります。残念ながら日本ではイマイチ盛り上がらなかったこともあり、中古車台数はかなり少なめです。
ベースとなるシビックは、2005年から日本モデルは4ドアセダンのみの展開に。そのため2007年デビューの3代目タイプRは4ドアセダンになります。ボディサイズも大きくなり3ナンバーに。ここは好みが分かれますが、昔ながらのシビックらしさが薄れたことは否めません。
2010年にシビックは日本での販売が終了となりました。しかし、その前年にヨーロッパ仕様のシビックに設定された3ドアハッチバックのシビックタイプRユーロが限定販売されます。ただこのモデルは現在でも人気があり、中古車相場はかなり高めで推移しています。
このように見ていくと、デビューから20年以上たっても初代でしか味わえない楽しみがいっぱいあるんですよね。
FR乗りにとってタイプRは絶対に負けたくない相手
レーシングドライバーの“ドリキン”土屋圭市さんは、カーセンサー本誌でのインタビューで、タイプRはFR好きにとって絶対に負けたくない相手だと語りました。
「お互い走りに求めていものがまったく違うからこそ、余計にね。FRはコーナーで車をコントロールするのが醍醐味。それに対してひたすらタイムを追求するやつらにとってFRの動きは無駄以外の何物でもない。だからFFのタイプR、4WDのランエボやインプレッサを選ぶんだ」
果たしてあなたはどのタイプでしょう。ストイックさを求めるなら、シビックタイプRは最高のチョイスになるはずですよ!
■SPECIFICATIONS
ホンダ シビックタイプR(初代) 1.6
全長×全幅×全高:4180×1695×1360(mm)
ホイールベース:2620mm
車両重量:1070kg(パワーステアリング+エアコン+ABS+SRSエアバッグ装着車)
トランスミッション:5MT 駆動方式:FF
最小回転半径:5.4m
エンジン:直4DOHC
排気量:1595cc
最高出力:185ps/8200rpm
最大トルク:16.3kg-m/7500rpm
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