3代目アルファードと3代目エルグランドを徹底比較!どっちがお得?
2019/06/13
高級車の新しいカタチ、アルファードとエルグランド。大排気量のエンジンと、豪華な内装と重厚感のあるルックスで人気を集め、今では欧州の高級車とも肩を並べる憧れの車となりました。そんな、日本を代表する最高級ミニバンの2台を天秤に掛けるとき、どのようなポイントに着目すべきか。現行型である3代目アルファード(30系)と3代目(E52型)エルグランドの特徴を比べてみました。
【概要】明確になった2台の高級ミニバンのキャラクター
「いつかはクラウン」という名キャッチコピーが1980年代にありました。そうした高級車への憧れは、今や「いつかはアルファード」へと変化しました。
3代目アルファードが登場したのは2015年(アルファードはトヨペット店、兄弟車のヴェルファイアはネッツ店での取り扱い)。高級車からの乗り替えに加えてミニバン人気に後押しされ、高級ミニバンの頂点として大ヒットしました。いまやVIP御用達の車(プライベートではなく主にビジネスユース)として知られています。
ただ、そんな高級ミニバンの流れを作ったのは、1997年に登場した日産の初代エルグランドでした。それまで高級車だけに搭載されていたような排気量3L超えのV6エンジンと、それにふさわしい迫力あるフロントグリルで話題を集め、一躍人気者に。
2002年登場の2代目もこのトレンドをけん引しましたが、2010年に登場した3代目では新しい路線を歩み始めました。ロー&ワイドフォルム化です。重心が低くなって運動性能はアップ。車内の床が低くなって乗り降りしやすい。そういったスマートなアドバンテージを打ち出したのです。
これが契機となり、エルグランドとアルファードのキャラクターの違いは明確になりました。「基本的には従来の重厚路線を貫くアルファード」と「新しい高級ミニバンの姿を提案するエルグランド」です。この構図を念頭に2台を比べれば、購入のポイントもおのずと明確になるでしょう。
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日産 エルグランド(3代目) × 修復歴なし【エクステリア】巨大なフロントマスクが共通の特徴
昨今の高級ミニバンでは、巨大なフロントグリルと精悍なヘッドライトがトレンド。その理由はミニバンが基本的に「箱型」だからでしょう。ボディの造形そのものに個性をもたせるのが難しいため、フロントグリルで差別化しています。威圧感を覚えさせるほど人気の高い傾向にあり、アルファードやエルグランドはそのお手本となっています。
縦方向に厚みのある、ロアグリルと一体化したようなメッキの大型フロントグリルがアルファードの「顔」です。さらに、標準仕様とは別にエアロ仕様もラインナップ。サイドスポイラーによってボディに厚みを感じさせつつ、地を這うようなイメージで重心を低く見せています。
またリアビューは、リアコンビネーションランプとライセンスガーニッシュを組み合わせた立体的なU字型の構成。ワイド感とアンダーボディの力強さを強調するスタイルになっています。
3代目のエクステリアは2017年12月のマイナーチェンジを境に前期モデルと後期モデルで分けられます。両者の大きな違いはグリルです。前期モデルのグリルはまるでレクサス車の紡錘型で、左右に広がるメッキでワイドさを強調。一方、後期モデルでは縦長の台形で、上下に流れるメッキでスタイリッシュを押し出しています。
ヘッドランプからグリルへとつながる厚みのある上下二段式フロントマスクとヘッドランプユニットが、エルグランドの特徴。そこからボディサイドへ流れる線も個性を主張しています。ロー&ワイドなプロポーションで安定感を感じさせるものになっています。
リアビューは水平方向と垂直方向のラインで構成され、エルグランドらしくワイド感をアピールするデザインとなっています。
3代目エルグランドも、デザインは2014年1月のマイナーチェンジを境に前期モデルと後期モデルの2つに大別できます。前期はグリルが上下で分かれていてマイルドな顔つきをしています。後期モデルでは一体型の大きいグリルとなり、メッキ装飾も多様。より存在感のあるフロントフェイスとなっています。
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日産 エルグランド(3代目) × 修復歴なし【インテリア】アルファードもエルグランドも7人乗りがオススメ
アルファードもエルグランドも、7人乗りと8人乗りがあります。インテリアも、乗車定員の違いによってセカンドシートが左右独立した2人掛けか、ベンチシートの3人掛けかが異なります。アルファードやエルグランドを購入するのであれば、豪華なインテリアと広い空間にマッチするのは7人乗りでしょう。贅沢に使えるセカンドシートには、オーナーも「運転席でなく後部席に座りたい」と思うほどです。これはアルファードとエルグランドに共通しています。
もちろん、8人乗りにもメリットがあります。セカンドシートとサードシートをフルフラットにしたとき、より広いフラットなスペースが得られるのです。快適に車中泊をしたい人は8人乗りを検討すべきでしょう。
ユニークなのは、助手席にスーパーロングスライドシートを設定していることでしょう。セカンドシートのシートレールを活用することで、助手席のシートスライド量は最大1160mm。この機構によって、助手席側に荷室長最大2150mmの積載スペースを生み出すことができます。
後席重視の「Executive Lounge」では、セカンドシートに幅が広いエクゼクティブラウンジシートが採用。ソファのような座り心地の良さに加え、伸縮量140mmのパワーオットマン(伸縮機構付)や快適温熱、ベンチレーション、格納式テーブルなどを装備して、とても快適に過ごせます。
一番のウリは、トリプルオットマンを装備していること。助手席とセカンドシートの2席、合計3席で同時にオットマンが使えます。また、セカンドシートはクッション一体型オットマン、シートバック中折れ機能、3層構造パッドを採用した「コンフォタブルキャプテンシート」になっています。
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日産 エルグランド(3代目) × 修復歴なし【ラインナップ】両車ともエアロスタイルのグレードが人気
アルファードもエルグランドも、エアロスタイルのグレードが人気。アルファードなら「S」や「SA」「SR」系、エルグランドなら「ハイウェイスター」と付くモデルです。グレードを選ぶときはエアロか非エアロかを、先に決めるとスムーズです。
アルファードは2.5Lエンジンを積む「G」「S」「X」と、3.5Lエンジンを積む「Executive Lounge」「GF」「SA」「SC」、さらにハイブリッドシステムを積む「Executive Lounge S」「Executive Lounge」「SR」「G」「X7人乗り/8人乗り)」をラインナップ。2.5Lと3.5Lエンジン搭載車は2WDと4WDがあり、ハイブリッドは後輪にもモーターを備えた「E-Four」の4WDとなります。「Executive Lounge」は後席重視の内装をもつ、アルファードの最上級グレードとなります。
エルグランドのグレードは3.5Lエンジンを積む350と、2.5Lエンジンを積む250に大別できます。350は上位から「350ハイウェイスタープレミアムアーバンクロム」「350ハイウェイスタープレミアム」「350ハイウェイスターアーバンクロム(7人乗り/8人乗り)」「350ハイウェイスター(7人乗り/8人乗り)」。
250は「250ハイウェイスタープレミアムアーバンクロム」「250ハイウェイスタープレミアム」「250ハイウェイスターSアーバンクロム(7人乗り/8人乗り)」「250ハイウェイスターS(7人乗り/8人乗り)」「250XG」などが用意されています。ハイウェイスターはもともとは派生グレードでしたが、人気が集中したため、今では主力グレードの仲間入りを果たしています。
また、これとは別に、日産の関連会社であるオーテックジャパンがプロデュースするカスタマイズカーである特別な後部座席空間をもつ「VIP」シリーズやハイウェイスターとは違うエアロスタイルの「ライダー」シリーズも選べます。さらに、エルグランドはほとんどのグレードで2WDと4WDが設定されています。
気になる価格ですが、新車の通常モデルではアルファードが319万7782~750万2760円、エルグランドが331万8840~816万4800円 (2019年5月28日現在) 。カスタムモデルだとアルファードには「ロイヤルラウンジ」といった1500万円超えのモデルがありますが、それらを除けばエルグランドの方が高価となっています 。
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日産 エルグランド(3代目) × 修復歴なし【装備】駐車のための機能もチェックポイント
大きなボディサイズ、そしてスクエアな形状。それだけに運転席から死角も少なくないので駐車には気を使うことになります。だからこそ、アルファードとエルグランドを選び際は安全装備にも注目。特に中古車で検討する場合、2010年8月にデビューしたエルグランドはグレードだけでなく年式によっても装備の有無に差があるので要確認です。
駐車時など低速時に衝突回避、および衝突被害を軽減してくれる機能。前後にある壁など障害物を検知している場合は、発進しようとしてもエンジン出力/ハイブリッドシステム出力を抑制します。それでも距離が縮まると自動(被害軽減)ブレーキが作動するようになっています。車載センサーを前後に8つも配置して、検出範囲がより広がっているのが特徴です。
上空から自車を見下ろすような視点で、周囲の状況を確認できる機能。後退を開始する位置やステアリングの切り返し位置などをモニターの表示と音声で案内する「駐車枠自動認識機能」も採用。また、フロントとリアで左右180°の車両が確認できる「フロント/リヤワイドビュー機能」も採用しています。
また、エルグランドは「踏み間違い衝突防止アシスト(駐車枠検知機能付)」も装備。4台のカメラと超音波ソナーを使い、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故の被害を軽減・防止します。
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日産 エルグランド(3代目) × 修復歴なし【積載性】ラゲージルームのアレンジはどちらも自由自在
アルファードもエルグランドもサードシートを左右に跳ね上げて畳んだり、前にスライドさせることでラゲージルームを拡大できます。両車ともに室内が広く、多彩なシートアレンジで大きな荷物も運べます。ただし、エルグランドはアルファードよりも室内高が低いので、高さのある物を積みにくいことも。
アルファードではサードシートに前方240mmのスライド機能を設けているので、人が座っていてもラゲージスペースを広げることが可能。フル乗車でも9.5インチのゴルフバッグを6個も積める容量があります。さらに、サードシートのスライド機構下に148Lの床下収納が設けられています。タイヤチェーンなど、置き場に困る物も収めておけます。
エルグランドも同様に、サードシートのスライド機能によりラゲージスペースを拡大可能。こちらは9インチのゴルフバッグを最大6個も積むことができます。ベビーバギーなら2台、30Lのクーラーボックスなら2個も積載可能。もちろん、床下収納も備えています。
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日産 エルグランド(3代目) × 修復歴なし【安全装備】アルファードは先進安全装備を全車に搭載
アルファードは2017年12月から全車に衝突回避支援システム「トヨタセーフティセンス」が標準装備されています。
昼間の自転車運転者や夜間の歩行者を検知できる「プリクラッシュセーフティ」や、設定された車速内で先行車に合わせて速度を調節して追従する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」を採用。レーダークルーズコントロール作動時には、車線から逸脱する可能性があると警告してくれる運転支援機能も搭載されています。
他にも、先行車や対向車を遮光しながらハイビームを照射する「アダプティブハイビームシステム(AHS)」や、カメラで認識した道路標識をマルチインフォメーションディスプレイに表示する「ロードサインアシスト(RSA)」などを装備しています。
エルグランドに2018年12月から「LDW(車線逸脱警報)」や「インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)」、「進入禁止標識検知」の他、緊急時のブレーキをアシストする「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」が標準で装備されました。「250XG」グレード以外では、高速道路などでの長距離ドライブ時に役立つ自動追従機能「インテリジェントクルーズコントロール」も標準化されています。
さらにヘッドライトを上向きと下向きを自動的に切り替える「ハイビームアシスト」や、ペダルの踏み間違いによる衝突を防止する支援機能「踏み間違い衝突防止アシスト」は、前方の歩行者を察知し作動するなど、より性能が向上しました。
上記でアルファードとエルグランドの明確な違いは、車線を逸脱しそうになったときの対処です。エルグランドがアラートで教えてくれるのに対して、アルファードはアラートだけでなくステアリング操作にも関与して運転支援しています。
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トヨタ アルファード(3代目) × 修復歴なし【エンジン】ハイブリッドが選べるのはアルファードのみ
アルファードは3種類のパワートレインが選べます。2.5Lガソリンエンジンと3.5Lガソリンエンジン、そして2.5L+モーターのハイブリッドです。
2.5Lの直列4気筒2AR-FE型エンジンは、7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付きの「Super CVT-i」が組み合わせられています。最高出力は182ps、最大トルクは235N・m。アイドリングストップ機能(Stop & Start System)の助けも借り、JC08モード走行燃費は12.8km/Lとなっています
3.5LのV型6気筒2GR-FE型エンジンは、6速シーケンシャルシフトマチック付きの「6 Super ECT」との組み合わせ。最高出力は301psで、最大トルクは361N・m。燃費はJC08モードで9.5km/Lです。
そしてハイブリッドは、2.5Lの2AR-FXE型アトキンソンサイクルエンジンと、6速シーケンシャルシフトマチックやE-Four搭載のハイブリッドシステムを組み合わせています。最高出力はエンジン152ps+フロントモーター143ps+リアモータ68ps。最大トルクは206N・m+フロントモーター139kW+リアモーター139kW。そして、JC08モード燃費はアルファード最高の19.4km/Lとなっています。
一方でエルグランドのパワーユニットは2.5Lと3.5Lの2種類のガソリンエンジンを用意。ハイブリッドモデルは設定されていません。
2.5Lの直列4気筒QR25DE型エンジンは、動力性能と燃費性能を向上させるエクストロニックCVT-M6が組み合わされます。最高出力は170psで、最大トルクは245N・m。低速から発生する高トルクで力強く加速します。
3.5LのV型6気筒VQ35DE型エンジンも、エクストロニックCVT-M6との組み合わせ。最高出力は280ps、最大トルクは344N・mで、街乗りも高速走行もバッチリこなします。
乗車定員どおりに7~8人が乗って荷物も積むことが多いなら、アルファードもエルグランドも3.5Lエンジンを選びたいところでしょう。しかし、そうなると当然、燃費が気になるところ。パワーと燃費のバランスも考えるならアルファードのハイブリッドが魅力的です。
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トヨタ アルファード(3代目) × 修復歴なし【乗り心地】ハンドリングに優れるエルグランド
エルグランドはアルファードに比べると全高が低くなっています。この低さがハンドリングにも影響し、大きなミニバンに乗っていることをあまり意識せずに走ることができます。しかも、フロント・リアサスペンションともにアルミ製リンクを採用。バネ下荷重が軽くなって、タイヤがドタバタしません。
さらにリアサスペンションには操縦安定性と乗り心地に優れるマルチリンクサスペンションを採用。これが後部座席、特にサードシートの乗り心地を良くしてくれています。このあたりはエルグランドにアドバンテージがあります。
対するアルファードは、リアサスペンションにダブルウィッシュボーンサスペンションを採用。乗り心地がかなり良く、路面に凹凸があってもボディがふわふわと上下しないように対策されています。ボディががっちりしていることで安定感もあって、高級車らしい落ち着いた乗り心地となっています。また、高速走行でもストレスが少ないのもポイントです。
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日産 エルグランド(3代目) × 修復歴なし【中古車価格】エルグランドは手が届きやすい価格帯にある
3代目アルファードですが、カーセンサー掲載車両の平均価格は約407万円(2019年5月28日現在)。これを時期ごとに分けてみると、2015年1月~2017年11月のモデルが約423万円、2017年12月~2018年9月のモデルが約615万円。2018年10月以降が約550万円です。
アルファードはロイヤルラウンジのような超高級モデルがあるため、平均価格は高くなりやすい傾向にあります。ただ高値をキープしている最大の理由は「いまだ人気だから」だと思われます。反面その人気ゆえか、3代目アルファードは1100台以上も物件が掲載されています。多様な選択肢の中から、自分に合った1台を選べるのが中古アルファードの魅力でしょう。
一方でエルグランドの平均価格は約219万円。2013年12月以前のモデルであれば平均価格は200万円以下と、2010年からのロングセラーだけに手頃な中古車を容易に見つけられます。また、直近の2018年12月以降のモデルでも324万円と、アルファードに比べるとグッと手が届きやすくなっています。
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日産 エルグランド(3代目) × 修復歴なしこの記事で紹介している物件
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