【試乗】ランボルギーニ ウラカン テクニカ|“スモールランボ”の完成形は完熟にして最後のシリーズベストモデル!
カテゴリー: ランボルギーニの試乗レポート
2025/01/12
テメラリオよりコンパクトに高性能を楽しめる
2025年夏。ついにサンタガータの主力モデルが代替わりした。ウラカンからテメラリオへ。しかし、今回のモデルチェンジは前回のそれ、ガヤルドからウラカンへ、とは全く意味合いを異にするものだった。
自然吸気V10からV8プラグインハイブリッドへ。最大のポイントはパワートレインの電動化であることは間違いない。けれどもテメラリオにはさらに大きな秘密が隠されている。それは車格のグレードアップだ。
従来のラインナップはフラッグシップのアヴェンタドール V12を頂点に、ウラカン V10(アウディ R8と姉妹)、そしてウルス V8(ポルシェ カイエンやベントレー ベンテイガと姉妹)というブランドヒエラルキーだった。
今はどうか。レヴエルト V12にテメラリオ V8、そしてウルス V8。すべてプラグインハイブリッドであること以外、一見同じような構成に見える。しかし、その内容がまるで違っていた。
ウルスは電動化でパワーアップ、というシンプルな進化だ。しかし、テメラリオのパフォーマンスアップはアヴェンタドールをも一気に抜き去るものだった。ほとんど両フラッグシップ体制と言っていいほどの性能を誇っている。そして事実上、レヴエルトとテメラリオは“姉妹車”。つまりアウディ R8のようなグループ内の姉妹車はもはや存在しない。レヴエルトとともに完全自社専用モデルになった(だからこそ、この2台はサンタガータ内姉妹として開発されなければならなかった)。
テメラリオには未試乗だけれども、おそらくそのパフォーマンスはレヴエルトと同等で、よりスポーツ志向、刺激的であるに違いない。スーパーカーとしては正しい進化だろう。けれどもその一方で、レヴエルトのアヴェンタドールからのあまりの進化幅を目の当たりにした結果、凄くなりすぎると推測されるレヴエルト姉妹車テメラリオよりも、よりコンパクトに高性能を楽しめたウラカンがかえって恋しくなってしまった。
V10を意のままに操れるRWD
テメラリオはウラカンの後継ではない。これで終わった“スモールランボ”である。
だからその真の最終章であるウラカン テクニカはもっと注目されていいモデルだと思う。末期になっていろんな限定車が登場し、すっかり影が薄くなったが、ひとつの完成形であろうと思う。
ウラカン テクニカはEVO RWD(スタンダードグレード)とSTOとのギャップを埋めるべくして生まれた。パワートレーンをはじめシャシー制御の数々もSTOのそれを踏襲しつつ、スタイリングをよりロードカーらしく仕立て直した。
とはいえ、スタンダードグレードとは雰囲気がかなり違う。エアロダイナミクスや冷却性能の向上の結果として改変されたフロントの特徴的なデザインは、電動コンセプトカー「テルツォ・ミッレニオ」をほうふつとさせ、レヴエルトとの共通性もあった。伸びた全長とサイドウインドウまわりのデザイン変更によって、真横から見たスタイルにはサーキット専用モデル「エッセンツァSCV12」との共通性さえ発見する。
その走りは完熟のウラカンにしてシリーズベストというべき極みに達していた。街乗りはさすがに少々ハードな味付けで、路面のザラつきもわかりやすく伝えてくる。けれども速度を上げていくとライド感にフラットさが増し、そんな雑味も気にならなくなる。70km/hを超えてくれば十分に快適だ。特にドライブモード「ANIMA」をストラダーレにセットしておけば硬めだが車好きウケするライドフィールに徹する。
態度が豹変するのはANIMAをスポルトもしくはコルサに変えた瞬間からだ。サウンドがいきなりラウドになってV10エンジンが急に熱を帯びて回り始める。素晴らしいのはそのサウンドクオリティ。V10特有ながら輪郭のぼやけた感じがまるでなくなり、一本筋の通った美しい音色を発するようになった。
DCTの制御も明らかに進化している。特にアップシフトの心地よさは、優秀だった以前のウラカンに比べてもまださらに上等で心地よい。DCTの気持ちよさはダウンよりアップにありという特性に磨きをかけた。
STOと同じシャシー制御を与えたというだけあって、ワインディングロードではクラス最高レベルのドライビングファンを提供する。意のままとはこのこと。ライバルの硬派な高性能グレードと比べても“楽しさ”という点ではまるで遜色ない出来栄えだった。
自然吸気V10を意のままに操ることのできるRWD。思い返せば4WDのガヤルドに始まったV10ミッドシップシリーズだったが、最終章ではついにRWDでその性能に極めをつけた。これぞシャシー制御の進化の証しであろう。
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ランボルギーニ ウラカン スパイダー× 全国自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
先代となるランボルギーニ ガヤルドの中古車市場は?
2003年のジュネーブショーでデビューした2シーターのミッドシップスポーツ。シャシーにはアウディのアルミスペースフレームを採用、リアミッドにV10自然吸気エンジンを搭載する。駆動方式は4WDとなるが、2009年に登場した限定車のバレンティーノ バルボーニをはじめ、後輪駆動車も後期モデルに設定されている。軽量高性能モデルのスーパーレジェーラなどもラインナップしている。
2025年1月上旬時点で、中古車市場には40台程度が流通。支払総額の価格帯は930万~2530万円となる。スパイダーは13台ほどが流通しており価格帯は1100万~3160万円。後輪駆動車は後期型のためまだ数台ほどしか流通していない。
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ランボルギーニ ガヤルド スパイダー× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●テクニカ (LDF)
型式 | 7BA-ZFDGFB | 最小回転半径 | -m |
---|---|---|---|
駆動方式 | MR | 全長×全幅×全高 | 4.57m×1.93m×1.17m |
ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.62m |
ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.67m/1.62m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | ◯ | 車両重量 | 1379kg |
シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
- |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
※諸元・装備情報は一部本国仕様の情報を掲載しております |
型式 | 7BA-ZFDGFB |
---|---|
駆動方式 | MR |
ドア数 | 2 |
ミッション | 7AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | ◯ |
標準色 | - |
オプション色 | - |
シート列数 | 1 |
乗車定員 | 2名 |
ミッション 位置 |
コラム |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | -m |
全長×全幅× 全高 |
4.57m×1.93m×1.17m |
ホイール ベース |
2.62m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.67m/1.62m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1379kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | ※諸元・装備情報は一部本国仕様の情報を掲載しております ※車両重量は乾燥重量の数値となります |
エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | V型10気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | - | 燃料タンク容量 | 80リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 5204cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 640ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
565(57.6)/6500 |
エンジン型式 | - |
---|---|
種類 | V型10気筒DOHC |
過給器 | - |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 5204cc |
最高出力 | 640ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
565(57.6)/6500 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 80リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | - |
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