▲トヨタ bBの後継モデルとして、開発が進むコンパクトワゴン。シャーシの許容重量もあってか、リアにもヒンジドアが採用される ▲トヨタ bBの後継モデルとして、開発が進むコンパクトワゴン。シャーシの許容重量もあってか、リアにもヒンジドアが採用される

ダイハツが受託開発中のコンパクトワゴン

ハイブリッド技術に力を注いでいるトヨタが、ダイハツの力を借りてダウンサイジングターボの実用化に乗り出す。登録車のエントリーモデルとして発売するコンパクトワゴンに直3ターボを用い、電動化テクノロジーで進化したライバル、スズキ ソリオを追撃する。

トヨタのコンパクトワゴンとして、ロングセラーを続けるモデルが、bBだ。現行モデルは、2005年12月に発売され、先ごろ発売から10年を迎えた。ヴィッツベースだった初代とは異なり、2代目にあたる現行モデルには、パッソ/ブーンのシャーシが使われているため、ダイハツが生産を請け負っている。

そんなbBの後継車を兼ねる新たなコンパクトワゴンが開発されていることは、1月12日でスクープしたとおりだ。ダイハツが受託して開発していることもご紹介した。

▲コンパクトワゴン市場を独走中のスズキ ソリオ。2015年8月のフルモデルチェンジで、Sエネチャージをはじめとするマイルドハイブリッド技術、車体の軽量化などを採用し燃費性能が大幅に向上された ▲コンパクトワゴン市場を独走中のスズキ ソリオ。2015年8月のフルモデルチェンジで、Sエネチャージをはじめとするマイルドハイブリッド技術、車体の軽量化などを採用し燃費性能が大幅に向上された

2列シートのコンパクトワゴン市場で快走しているのが、スズキ ソリオだ。登録車の販売台数を伸ばしたいスズキは、軽量化に加えてハイブリッド技術も投入し、あえて5ナンバー枠より狭い全幅を用いたパッケージングで独自のポジションを築いた。

ソリオが支持されている事実をトヨタも黙って見てはいられまい。新型ワゴンで追撃してシェア獲得に乗り出す。いちばんの話題は、トヨタ初の3気筒ダウンサイジングターボが実用化されることだ。ベースにはヴィッツやパッソに搭載している1L直3エンジンが用いられるが、ターボ化によって大幅に改良されるため、既存のNAユニットとの共用部品は少ないという。

リア両側スライドドアは見送りか

プラットフォームには、パッソ/ブーンの改良版が継承される。これが影響してか、両側スライドドアの採用は見送られる可能性がある。シャーシの許容重量を超えてしまう恐れがあるためだ。ソリオが人気を博しているポイントのひとつに、両側スライドドアの採用が挙げられるが、はたしてトヨタのコンパクトワゴンは、どのように太刀打ちするのだろうか。

▲次期コンパクトワゴンには、現行bB(写真)同様、リアドアにはヒンジドアが用いられる ▲次期コンパクトワゴンには、現行bB(写真)同様、リアドアにはヒンジドアが用いられる

販売チャンネルに関しては、ネッツ店専売のbBと違って、全チャンネルで販売される予定。ただし、4つのチャンネルすべてで同じ車が売り出されるわけではなく、2タイプの兄弟車が売り分けられるという。トヨタ店とカローラ店には、ノアの弟を連想させるマイルドな顔つきのモデルが投入され、トヨペット店とネッツ店には、ヤンチャなイメージのモデルが割り当てられる。

前述のとおり、ダイハツが受託開発をしている関係で、安全デバイスにはトヨタセーフティセンスCではなく、ダイハツオリジナルのスマートアシストIIが採用される。単眼カメラで歩行者を認識する他、セーフティセンスCにはない誤発進抑制機能も盛り込まれるようだ。

※2016年2月2日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2016年11月
■全長×全幅×全高:4100×1695×1650(mm)
■搭載エンジン:1L直3+ターボ他

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、トヨタ、スズキ